偶像の点対称にある現実。しかし、それは少し回せば──

“だけ”ができない。自分の中で推しを神格化するために作った祭壇の埃すらも払えない。

そんな鞘シュウマイさん(ペンネーム)の、あまりにも現実味を帯びた心情描写が魅力的な作品です。
複数個あるゴミ箱に複数個のゴミの山ができるの、分かるなあ。

“だけ”をこなせるようになれば、天蓋にかかるたくさんの緞帳が1枚、めくれるようになるかもしれません。

そうですね。“推し”の日頃見ている景色は、きっとそれとあまり変わらないのでしょう。

細い管を流れる赤は、誰しも同じなのですから。