トラブルメーカー
関口 ジュリエッタ
第1話 いざ銀行へ!
平和な日常を脅かそうとする二人の男性がある計画を立てて一台のワゴン車で国内最大の銀行に向かっていた。
「兄貴、上手くいきますかね?」
「今更ビビってどうする。覚悟を決めたんだ。逃走ルートなども念密に考えていたんだ、大丈夫、警察ごときに俺らは捕まらない」
助手席でブルブルと震えているダルマのような小太りをした男性は
その理由は二人の家庭はとてつもなく貧困で食事すら満足に食べれる生活を送ることができないでいた。
そして今が決行の時、覚悟を決めた二人は銀行に向かっている。
「もうすぐ目的地に着く、後部座席にある銃を取れ」
「わかった、兄貴。――大変だ兄貴! 銃がない!」
「はっ!?」
危うくアクセルからブレーキペダルを強く踏みそうになるのを丹下道は抑えて後部座席を確認するが闇取引で手に入れた銃がどこにもなかった。
「ばかやろう! どうして銃が無いんだ!?」
「もしかすると自宅に置いてきたのかも……、ごめん兄貴」
「もういいこうなったら現地調達するぞ!」
「マフィアのアジトに殴り込みに行くんですか?」
キレた丹下道は出目の頬に強烈な右ストレートをかます。
「ばかやろう! そんなことをしたら俺たちころされるだろ。ここの近くにあるおもちゃ屋に向かうんだよ。そこでモデルガン買うぞ」
「オモチャの銃で銀行強盗なんて無謀ですよ兄貴」
「うるせえ! 元はといえば忘れてきたお前が悪いんだろ!!」
出目の後頭部に強烈な一撃を入れた丹下道は急いでルートを変えて近くのおもちゃ屋へと向かう。
☆
それから都内で有名なおもちゃ屋に着いた二人は出目になけなしのお金でモデルガンを購入するように頼み、丹下道は車で待機をしていた。
しばらくの間、おもちゃ屋の入り口から血相をかいてこちらに向かっている出目に丹下道は妙な違和感を感じた。
車に乗り込んだ出目は慌てて車を出すように促すのでそのわけを訊くと思いがけないことを口ずさむ。
「兄貴、モデルガン盗んできたから早く車を出して!」
「何を言っているんだよ、おまえは! 銀行強盗をする前に万引きしてどうするんだよ!」
「話しは後、今すぐ逃げないと店員が警察を呼んでいるから!」
車のアクセルをベタ踏みさせて急いで目的地に向かう二人であった。
☆
幸いパトカーの追っ手は来ず、一安心した二人は目的地の銀行へと着いた。
いよいよここからが本番、この計画を成功させて大金を手に入れ薔薇色の人生を送るのだ、と丹下道が強く抱きながら勢いよく銀行へと突入する。
「金を出せ強盗だ!」
二人はモデルガンを突きつけて銀行員を脅す。
受付をしていた銀行員達は恐怖で怯え、周りにいた一般人も悲鳴を上げて泣き叫ぶ者も出た。
二人はモデルガンを構えながら受付へと向かい銀行員に突きつけ脅す。
「はやくこのバッグに金を詰めろ!!」
「…………」
銀行員はブルブル震えながら何もせず怯えているだけだった。不振に思い再度、丹下道は脅す。
「聞こえなかったのか! 早くバッグに詰めろ!」
「あの…………バッグはどこにあるんですか?」
「何を言っているんだ、バッグならここにあるだろ!」
怯えた口調で話す銀行員の言葉に丹下道は混乱していると肩を叩いてきた出目のほうへと顔を向けると不思議そうな表情でこちらを見つめていた。
「なあ兄貴、この人の言うとおりバッグがなければ現金を詰めれないよ」
「詰めれないよ、じぇねよ、おまえバッグを持ってきたんじゃなかったのかよ!?」
「俺はてっきり兄貴が持ってくるのかと思ったから」
衝撃的な爆弾発言に丹下道の頭は破裂しそうになった。
「早くバッグ持ってこい!」
「無いよ」
「はっ? どういうこと?」
「車にバッグ置いてなかった。たぶん自宅に忘れてきたんだと思う」
場が一気に静まり返った、そんな中一人の少年が口を開く。
「ねぇねぇお母さん。あの人達どうしてオモチャの鉄砲持っているの?」
急いで母親らしき人物は少年の口を塞ごうとしたとき、その少年からとんでもない発言をされる。
「あの銃にモデルガンのメーカーが書かれているよ」
その言葉を訊いた二人の額から冷や汗が大量に流れ始める。――とそのとき、入り口から無数の足音が響き渡る。
「警察だ大人しく投降しろ!」
突然、背後から警察の機動部隊が現れた。とっさに銃を銀行員に向けて丹下道は脅そうとするが銀行員はモデルガンだと理解しているため怯えることはせず、むしろ警察官にモデルガンと告げてしまう。
「確保!」
一斉に警察の機動部隊は二人を拘束し鎮圧をする。
こうして丹下道と出目は警察の機動部隊に捕まり、海外での薔薇色の生活では無く刑務所での最悪の生活を末永く送るのであった。
トラブルメーカー 関口 ジュリエッタ @sekiguchi
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