青色の奇跡
きいろいの@入院などでお休み中
兄との再会を叶えるために
7年前、私は小さい頃、兄とこんな話をしたことある。
「そういえば、お前にこんな話したことあったっけな?」
「おはなし?」
どんなお話をしてくれるのか兄の顔を見上げながら聞いていた。
「エリーは覚えてないと思うけどな、エリーが街から忽然と消えたことがあったんだよ」
「え、そうなの!?」
その話を聞いてびっくりした。じゃあなんで私はここにいるか聞く前に兄は話を続けた。
「町のみんなでどこを探しても見つからない…完全にお手上げ状態だった時に俺は思い出したんだよ。婆ちゃんから聞いた青色の薔薇の話をね」
「青色の薔薇…?」
「そう、滅多に見つけられない花だけども、大切な人を想う人気持ちが強ければ雪原に咲いて叶えてくれるという話さ」
私はおとぎ話を聞いているようで、少しワクワクした。
「俺は父さんと母さんに止められたけど、大事なエリーのためにと猛吹雪の中、雪原に向かったんだ。広い雪原の隅々まで探してどれくらい掛かったわかんないけどさ、俺は遂に青色の薔薇を見つけたんだ」
「すごーい!」
「早速家に持ち帰ってエリーが早く戻って来ますようにとエリーの部屋に青色の薔薇を花瓶に刺したんだ。すると次の日、エリーが帰って来たんだよ。悪い人に攫われてやけど、吹雪で身動き取れない状態だったのを旅人さんが見つけてさ。たまたまだと思われそうだけど、青色の薔薇のお陰だと俺は信じているんだ」
兄さんは私の頭を撫でながら自慢げに語った。
そして現在、私は今日も元気に過ごしていました。
でも、大好きな兄のジオは2年前から行方不明なのです。隣の町まで出掛けたっきり帰っておらず、目撃情報はありませんでした。「モンスターに襲われたのでは」「山賊にやられたのでは」と憶測がありましたが、どっちにしろ助からないと家族も町のみんなも諦めていました。
それでも私は諦めませんでした。青色の薔薇を見つけて再会しようと考えています。自己防衛用に身体をこっそり鍛えて雪原の下見を何度もしました。薔薇が咲く時期は冬なのでこの機を逃してはいけない。本当は去年行きたかったけど、大型のモンスターは雪原に留まっていたので諦めるしかなったです。その無念も込めて探しに行って来ます。
防寒コートにゴーグル、ランタンに鍵爪付きロープ、獣退治用のボールに護身用の短剣、そして植物保管用の筒を持って出発しました。お父さんとお母さんの話を聞かずに急いで雪原に向かいました。
雪原に着くと辺りは真っ白で綺麗。色んなところに冬に咲く花が咲いていました。薔薇も咲いていますが、どれも青色ではなかったので、奥まで進んでみることに。
何時間経ったかわかりませんが、何処へ探しても見つかりませんでした。雪原の足跡は私と野生動物の二つしかありませんでした。途中風が強くなって来て雪は降り始めました。
日が沈み出しても探し続けることに、兄にどの辺りで見つけたか聞いとけば良かったと思いました。
遂に崖側のかなり高いところに青色の花のようなものを見つけました。私は鍵爪付きロープで近くまで引っ掛けて登ることに。鍛えてなかったら途中でバテちゃいそうです。登る途中に吹雪になって来ました。急いで登り切らないと。
青色の花の横まで登れました。その花は青色の薔薇、私が探し求めたものです!一輪を摘み取り腰にあった筒を入れると…。
ビュゥゥゥゥゥ!!
「きゃぁっ!?」
突風が吹き、鍵爪ロープから手を離してしまいました。崖の下は雪に覆われていてもゴツゴツとした硬い岩の集まり…。この高さから落ちたら…。でも、私は兄に会いたいという気持ちが恐怖に勝ったのです。護身用の短剣で崖に刺して落ちる速度を落とそうと踏ん張りました。腕が痺れて痛い…もしかしたら兄もこんな大変な状況にあってまで探してくれたかもしれない…だから、諦めない!
「うぐぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バキッ!
短剣が折れてしまった…ダメだったんだ…。
ボフンッ
……どうやら雪がたくさん積もっていたところに落ちたようです。筒の中にある青色の薔薇を確認して崖に登る前に置いて来たランタンに灯りを着けて帰宅しました。その時は吹雪が止んだ静かな夜でした。
家に帰るとお父さんとお母さんが怒っていました。私が攫われた件もあり心配性なので仕方ありません。何しに行ってたかは聞いて来ませんでした。お婆ちゃんは何も言わずに編み物を編んでいましたので、もしかしたらお父さんとお母さんは察していたのかもしれません。
早速兄の部屋に青色の薔薇を花瓶に刺しました。これで戻ってきますように!と願いを込めました。
3日後、昼食の準備をしている途中に近所のおじさんが慌てて家に訪れました。
「エリーちゃん!大変じゃ!本当に驚きじゃ!」
「どうしたんですか?何が大変なんですか?」
おじさんが一旦深呼吸をして…。
「お前さんのお兄さん、ジオが帰って来たんじゃ!!」
「え!?」
私はすぐに家から飛び出して騒ぎが起きてる町の入り口付近に行ってみました。そこには本当に兄がいたのです。出掛けた頃の服装が今とは違いますが、妹だから本物の兄だと確信しました。
兄は私の顔を見て声をかけてきました。
「お、エリーじゃないか!前より綺麗になったなぁ!」
「…お兄ちゃん!!」
私は泣きながら兄を抱きしめ、兄は泣いてる私の頭を撫でてくれました。
「心配かけてごめんな。ただいま」
「おかえり…お兄ちゃん…」
【青色の薔薇の花言葉】
「夢 かなう」「奇跡」「神の祝福」
青色の奇跡 きいろいの@入院などでお休み中 @kiiroino
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます