概要
なんとなく心落ち着く住まいに引っ越した私は、毎日訪ねてくる猫と出会う
あるとき見ると、サッシの磨りガラスの向こうに何やら焦げ茶色の丸い影がある。
その影が動くと、サッシの戸の間に小さな白い手が割り込み、十センチばかり開くと耳のついた頭が入ってきた。体は黒と茶色の縞柄、手足の先だけが足袋のように白い雄猫だった。猫は「お邪魔します」とこちらを見てから「この部屋を探検いたします」と四隅の匂いを慎重に嗅いだ。それから奥に台所と風呂場があるのを見つけると「こちらも確認しないといけません」と丁寧に嗅いでまわった。
その影が動くと、サッシの戸の間に小さな白い手が割り込み、十センチばかり開くと耳のついた頭が入ってきた。体は黒と茶色の縞柄、手足の先だけが足袋のように白い雄猫だった。猫は「お邪魔します」とこちらを見てから「この部屋を探検いたします」と四隅の匂いを慎重に嗅いだ。それから奥に台所と風呂場があるのを見つけると「こちらも確認しないといけません」と丁寧に嗅いでまわった。