年齢別レーティング

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大手ゲームメーカーマクモから発売予定であるリードオアビハインドについての年齢レーティング設定会議は難航していた。

このゲームはビーチフラッグスを題材とした内容であり、コスチュームには水着が含まれている。故に肌の露出が多く画一的な審査基準によってカテゴライズするのであれば性的表現に該当し17歳以上が対象となるのだが、スポーツゲームを年齢規制するのはその競技に参加する人間に対し敬意を欠くのではないかという問題が浮上。会議は二分され一向に煮詰まらず膠着状態。「キャラクターの胸囲が明らかに尋常ではない」「明らかに性を意識して作られている」「揺れ過ぎている」「いやこんなもんだろ胸は」「扇情的なスポーツ選手もいる」「揺れるよそりゃあ」といった意見対立が起こった。スポーツにおける必然性をどこまで健全とするか。両陣営決定打がないまま時間外労働へ突入するもやはり進展がないため、じゃあ実際にゲームをやってみようという結論に至りマクモから送られてきたデモ版を皆でプレイ。大盛り上がりとなった結果レーティングは全年齢対象という形で落ち着いた。

後日、製品版のみ実装された着せ替えモードとキャラクター観賞モードがもろにアウトで界隈は騒然。「これが全年齢対象か」「どんな審査してんだ」との声が多数寄せられレーティング機構は非難の対象となった。もちろん、マクモはめちゃくちゃ怒られた。

そのマクモの開発責任担当は後にこう語る。

「あれは表現の自由を守ろうという意思表示です」

彼の眼には、一片の曇りもなかった。