拝啓傍観者
178
プロローグ
「君たちは…一体何者なんだ……」
窓から差し込む月明かりが、一段と輝きを増す。
こちらを見下ろすような影に色濃く浮かび上がるその横顔が笑みを浮かべる。
この世の全てを魅了してしまうほどのそれは、現世のものでは無いほど美しい。
視線が交わるとき、彼の形のいい唇が言葉を紡ぐ。
「僕達は、存在しない子供達(イレギュラーチルドレン)、通称〈IC〉人型のアンドロイドだよ」
これから綴る物語は、俺が彼らに出逢い、世界を知り、世界の終わりを見届けた記録書である。
拝啓傍観者 178 @pank195110
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