つま先に宿る未来について

春野 セイ

つま先に宿る未来について



 お題「つま先」と頂きまして。では思い浮かんだことを書いてみようと筆を執った次第であります。


 自分は現実リアル世界でデイサービスに勤めており、そこで入浴介助の仕事をまあまあ数年続けております。

 入浴介助というとご高齢の方のお風呂のお手伝いのことでございます。


 ご高齢になると手が足先に届かないもので、我々スタッフが足の指の間まで洗うことがほぼ80%くらいあります。

 できる人にはやってもらいますので、100%とは申しません。


 と、このつま先ですが、こちらはまあまあ介護が必要な方ほど、白癬はくせん外反母趾がいはんぼしになっています。


 白癬とは、水虫のことでそのほとんどが爪白癬です。

 通常の爪の厚みが、気が付けば2、3ミリほどの分厚さになり、その上ご高齢の方の足の爪きりなんぞ誰もしませんので、伸びていくとそれがどんどん内巻きになり、もうどうやっても病院じゃなくては手のほどこしようのないほどになっていきます。


 そして、外反母趾。

 これは皆さまご存じのお方もござりましょうが、と外郎売ういろううりのような口上になっていますが、外反母趾も尤もやっかいな代物で、親指が隣の人差し指の上に下り曲がっていたり、これはどうやったらそれがそっちに曲がるの! と思ったり、尋常じゃない曲がり方で、本人も痛いらしく。これもまたどうしようもない。医者に行ってもおそらく、お手あげの状態の人がもうたくさんいらっしゃいます。


 まだお若い方で自分は安心という方は、まあ、遠い遠い将来、そういうつま先にも事件は起きるかもしれないことを念頭に、足も大事にしてもらえたらなあ、と思った次第で。


 万が一、白癬に感染しましても、お若い方でございましたら、病院へ行けば治りますので大丈夫だと思うのですが……(?)

 かくいう自分ももしや感染したか! と予防で市販の薬などはつけたことはございますが、ご安心を、今はつけておりません。


 自分も爪切りは適度に、白癬は毎日足を洗えば白癬菌も繁殖しませんので、外反母趾も親指の横の骨が出てくる前にマッサージとか指と指の間を広げるとか、大切にしてもらえると足も喜ぶやもと思った次第でございます。


 ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


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