この曲は君のために歌うもの
蓬餅新太
第1話
ぼくは売れっ子シンガーになったよ。
出す曲全てが2000万再生を超えるんだ。
今では毎日忙しいよ。
お金もいっぱい貰って
美味しいもの食べて
充実してるって信じてる。
でもね、時々苦しくなるんだ。
あの時を思い出すとね。
綾、君との日々を言ってるんだよ。
7年前、ぼくは君に置いてかれたんだよ。
ひどい話だね。
あんまりだと思うよ。
だからね、ぼくは君に見てもらえるように頑張ったんだよ。
褒めて欲しいよ。
ぼくの歌を褒めてくれたのは君だけだったから苦労したよ。
あの時、君の褒め言葉を素直を受け取らなかった方が良かったかも。
でも、今なら絶対にそんなことないって言い切れるよ。
あの時褒めてくれたから今も歌ってる。
知ってる?ぼくのファンは全国にいるんだよ。
何千、何万といるんだよ。
信じられないよね。
だって、あの時は君しかファンが居なかったんだからね。
今も推し変してなかったら最古参だね。
あーでも、だめだからね、ぼくがいないからって推し変したら。
でもね、ここでもう一度、照れくさいけどありがとうって伝えたいんだ。
あの時、何者でもなかったぼくを一番側で支え、褒めてくれたことを。
やっぱり、慣れないよ。
この場所に来るのは。
7年経っても泣きそうになる。
いつまでも見守っててね。
それじゃ、ぼくは行かなきゃ。
君が褒めてくれたこの歌をみんなに届けないといけないからね。
また来るね、綾
***
それでは聞いてください
この曲は君のために歌うもの 蓬餅新太 @sakuraayane
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます