最終話 返り咲

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」


 やけに、より一層と老けた義母が戻ってきました。

 疲労困ぱいで何も語りません。

 投げるかのように、玄関先に捨てられた次女の足を見ると小さくなるどころか、パンパンに通常の三倍ほど腫れあがっていたのです。


「あらあら、おかしいわねぇ」


 次女はアヘンの効果が切れたのか、その場で悶え苦しんでいた。


 エラはそのまま腫れ上がった次女の足を面白可笑しく小突きながら遊んでいると、義母の疲労が和らいだのか、エラに襲い掛かかろうとします。が、義母は後ろから頸椎に衝撃が走り、あっという間に気を失いました。





 義母が気がついた頃には椅子に縛られ身動きが一切取れなくなっていて、猿ぐつわもされていました。

 その場にはエラとはもう一人、知らない男が無表情に立って義母を見下ろしている。


 エラとその男は熱烈な口づけを交わし出し、見せつけるかのように愛しあう。

 その後、男は義母と姉妹も弄び、その光景をエラは爆笑しながら見守っていた。




 義母の目の前で長女を吊るし、足先から引き続きノコギリで切り刻んでいく。太腿あたりで長女は失血にて死に絶えました。



 次は次女。



 同じく足先から順番にハンマーで骨を砕いていく。骨盤辺りで次女はショック死にて息絶えました。



 残虐行為の合間にエラと男は何度も愛し合うのだが、義母は我が子の死を見るよりも驚いたのは、エラの股間にある「モノ」でした。


 そこには「男性器」がしっかりとついていたのです。



 『孌童れんどう』と呼ばれる男色の若い男のことを指して言う存在が古くからありました。彼らが「纏足」を施していたという話は昔から様々に残されていて、官僚としてスパイ活動をしている者も居たそうです。


 エラも男児として生まれるが、両親は一家みんなの将来を考えてエラを女児として育てることにしたのです。



 そこで義母は考えます。


 この国の王は多くの女性の中からエラを選び、見染めて一晩中その身体を味わったはずだということを。


 義母親子は誰一人として、最初からエラに太刀打ちは出来なかったのです。



 その後、義母は・・・・・・




 そうしてエラは城へとゆっくり出向き、無事に王との婚姻を果たしました。


 しかし、当然のようにその国の王に跡取りは一項に生まれず、王の死後は『栄蘭えいらん』が女帝として、君臨しましたとさ・・・・・・





『纏足のシンデレラ』 ~三寸金蓮~   了




近況ノート⇩イメージ画

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👰『纏足のシンデレラ』~三寸金蓮~👠 カクヨムコン10短編【9,854 文字】 白銀比(シルヴァ・レイシオン) @silvaration

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