第八話 復讐

 エラは悲しみに明け暮れて、泣くのにも慣れてくる頃にはどう復讐をしようかということしか考えられなくなってしまいました。


 そんな模索中に、姉の二人がある噂を聞き義母に伝えます。


「王様がエラを探し回っているそうよ」


「小さい『金の靴』を履ける女性は城へと召し抱えるんだって」


「まぁ、なんですって?!」


「城下町の広場でその靴を開示していて、町中の女がそれを履きに列を成して並んでるのよ」


「私たちも行きましょう!」


 義母はエラをクローゼットへ閉じ込めて、三人は仲良く意地悪に颯爽と広場まで向かいました。



 そして一刻ほどするとクローゼットの扉は開き、義母が血走った目で問い掛けます。


「あんたのその足、どうするのか言いなさい。なら、出してあげる」


「・・・やめた方がいいわ。あなた達には耐えられる訳がない」


「あんたなんかに出来るなら当然、出来るわよ。言いなさい」


「・・・だったら、私が手伝ってあげる。やれるものならやってみなさいよ」

 エラはこの時、体のいい復讐を思いつきました。

「急がないと・・・王様もこの界隈は諦めて他へ探しにいっちゃうわよねぇ?」


「ええ、そうよ。だから急ぎでなんとかしなさい」


「急ぎかぁ・・・じゃあ、仕方が無い」





「・・・ぎいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 長女の叫び声がそこら中に響き渡る。


「うるさいわね。何とかしなさい」


 エラは義母に指示をして、猿ぐつわを我が子にするように言います。長女を二人係で押さえつけ、抵抗出来ない様に縛り付けもしました。


 両足のかかとの皮膚を剝ぎ、くるぶし部分から骨を外し削っては傾斜角度をつけた位置で元に戻す。

 親指以外の指を今から折り曲げていく時間はないので、ノコギリで切り落とすしかないと説明しギコギコと斜めにカットしていく。


 長女は激痛からか血を大量に失ったからか、意識を失いました。しかし反対の足も施術しなければならないので、また新たな痛みで意識を取り戻すも、また直ぐに気絶しました。




 きつく布で両足を止血の意味でも縛りあげて、義母と次女は直ぐさま意識を失った長女を抱きかかえ広間へと向かいました。




 またもや一刻ほど経つと戻ってきて

「なんとか履けたけど血が沢山でて来てバレたわ!」


「あら、残念ねぇ」

 エラは内心、そりゃそうだろうと思いながらも次女への方法を考える。

「・・・なら、こうね」



 長女はそのまま奥で寝かせ、次は木こりが木を切り倒す時に使う大きなハンマーを用意して、縛り付けた次女の足の骨を『つま先』から砕いていく。


「ひいぃぃぃぃぃぃ!!」


 今度の次女にはアヘンを吸わせて鎮痛効果をさせていました。気絶するほどの痛みは無いにしても、ぐにゃぐにゃになっていく自分の足を見るのは恐ろしさとエグさが垣間見えてしまう。


 ゴキン!・・・ゴリ・・・ポキポキポキ


 義母は一人で次女を背負い、また町広間へと走り去って行った。

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