【お題で執筆!! 短編創作フェス】ロボットのつま先【つま先】

星羽昴

重力に踵を引かれた人型兵器

 永野護先生の『ファイブスター物語』では、巨大人型ロボットをモーターヘッドと呼んでいます。そのMHモーターヘッドの1シーン……。

  MH破裂の人形 対 MHアシュラ・テンプル

の戦闘で『MH破裂の人形』の操縦者ヘッドライナーが「ヒール倒立」と指示するコマがあります。


「ヒール倒立って何するの?」


 その後のコマで「踵部分の突起部が回転して、踵を持ち上げた」画だったので「ロボットに爪先立ち」をさせたのだと思います。



 犬や猫のように、踵を地面つけずに爪先で歩くものを趾行性しこうせい動物と言い、霊長類のように踵を地面につけて歩くものを蹠行性しょこうせい動物と言うそうです。

 趾行性しこうせいは「獲物を捕らえるために俊敏に動く」ために、蹠行性しょこうせいは「安定して直立する」ために有利だとか。



 宇宙空間を推進機関バーニアで移動して、ビーム兵器を撃ちまくるなら足の形はどうでもいいはずです。


「あんなものは飾りです」


に一票入れます。でも、陸上で格闘戦をやるなら、状況に応じて踵をつけたり、爪先立ちしたりする必要があるのではないでしょうか?

 地表でMSモビルスーツガンダムは、MSモビルスーツグフと剣撃戦をしてました。どう言う足の動きで地面を移動したのでしょう。SF的に考証すると謎な部分です。

 そういう意味でもMSモビルスーツドムのようにホバリングで滑空するのは合理的かつ画期的です。単にアニメ上作画の手間を省く以上の意味があったと思います。



 そう言えば『機動戦士ガンダム』→『機動戦士Ζガンダム』→『逆襲のシャア』と陸上での戦闘が減っていった気がします。



 陸上で格闘戦をするロボットって、状況に応じて踵をつけたり、爪先立ちしたりする必要があると思うんですよ。繰り返すけど!

 すると足裏がベッタリとしていたら不都合で、爪先部分と踵部分が分離した構造でないといけない。

 私の知る範囲だと、そんな足のデザインのロボットは『重戦機エルガイム』が最初だったのではないかと思います。これも永野護先生のデザインです。

 やっぱり流石ですね。



 あれ? 『超時空要塞マクロス』のヴァルキリー……一応、爪先と踵が分かれてる?

 


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