【短編コン】学校

野口マッハ剛(ごう)

SF×ホラー×美少女

 ボクは学校の寮のベッドの上で目を覚ます。高校一年生。春の朝の陽気に目をこすりながら食堂へと。おばちゃんがみんなの朝食を用意している。ボクたち男子は美味しい朝食をあっという間に食べ終えて学校に到着した。


 ボクは授業の前にトイレで用を足した。


 教室で先生の授業を受ける。ボクの目線の先には金田カレンと言うクラスメートが座ってノートに黒板の書いてあることを写しているようだ。いつ見てもふわふわの髪型の可愛らしい彼女。ボクとカレンは付き合っている。ラッキー。


 昼休みの教室。


「リュウは、あたし以外の女子とは話さないね」


 ボクの名前は鈴木リュウ。


「うん。カレンしか見ていない」


 ボクと彼女の甘くじれったい時間だ。


 今日の授業を終えて、寮に戻って自習の夕方。


 自室の部屋の窓から一人の男が立ってこちらを見ているようだ。何だよ、不気味だな?


 ボクはカーテンを閉めた。


 ちなみに、ボクは遠く離れて暮らす両親がいるのだ。カレンは自宅から通っている。彼女のことを考えると胸が今すぐ会いたいと願う。


 寝る前の自室のカーテンを何気なく開ける。


 まだ男が立ってこちらを見ている。


 反射的にカーテンを閉める。心臓がドッドッドッと鳴る。何だよ、怖いな?


 翌日の昼休みの教室。カレンからこんなことを言われる。


「あたし、何だか頭が痛い」


「一緒に保健室行くよ」


 二人で保健室に入る。


「あなたたち、ベッドに横になって」


 保健室の先生からそう言われた。


 ボクたちはそれぞれのベッドに横たわる。カーテンでお互いに姿は見えない。


 ボクはいつの間にか眠っていた。


 キュイーン! ドリルのような音だ。


 ボクはこっそり彼女のベッドを覗き見る。息を飲んだ。そこには、金田カレンの頭が電動ネジ外しで解剖されている。ボクは訳が分からない。確かに彼女の頭部は機械で出来ている。


「やあ、起きたのかい。鈴木リュウくん」


 そこにはカーテンをちょっと開けてこちらに話しかけて来る、あの立ってこちらを見ている男だった。


「監視するのも不慣れなものでね。金田カレンはアンドロイド、もちろん、鈴木リュウくん、君もだ。」


 ボクは頭がおかしくなりそうになる。


「そんなわけは無い! ボクは人間だ!」


 男は不気味に笑っている。


「ハハハ。鈴木リュウくんと金田カレンの頭はAIで思考が出来ている。全然違和感が無いようだ。さて、二人の記憶の初期化をしようかな?」


「う、うわああああ!」


 ボクは死にもの狂いで学校から脱出する。追手が来ている。外は夜だ。ボクは走って走って追手を振り切る。


 頭がどうにかなりそうだ!


 ここは山の中。ボクは自分の目玉に指を突っ込む。手の平に自分自身の片目がゴロンと。ボクはアンドロイドだったのだ。あの忌まわしい学校はアンドロイドの学校? そんなバカな? ボクはこれからどうしたら良い?


終わり

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【短編コン】学校 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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