ミユビナマケモノのダラーッとしたあの顔で、意外と長くて鋭い爪を使って、一粒一粒慎重に豆を掬い取っては、ものを握るのには全く向いてないその手で何とか豆を挽こうとする健気な姿が、目に浮かぶようです。
それだけで随分と癒されますが、そんなマスターの、「のそ……のそ……」というオノマトペがついてきそうな物の言い方が、何とも愛嬌があってツボにはまります。
そして、そんなマスターがコーヒーを淹れるまでの待ち時間……マスターが頑張ってのそのそしているのを見守りつつ、外の世界と隔絶された緩やかな時間を楽しむという、何とも贅沢な時間の使い方を堪能できるわけですね。
ナマケモノのマスターならではの、実に優雅なひと時が味わえる特別感がそこにあります。
……いやしかし待てよ、喫茶店を経営しているという点だけ見れば、このナマケモノのマスターは「ハタラキモノ」なのでは……?
いや、そういう野暮なことはよしておきましょう。
独特な雰囲気を豊かに楽しみたい方は、是非ともご来店ください。