おつかれさまでした

 と、まぁ、かくして私は「あなた」に呪いをかけてみたわけなのですが。


 恐らく多くの読者の方は、呪いに対する認識を変えることなく、今後も生きていくのだと思われます。


 今回のホラー作品も、結局、読み手たる自分へ影響を与えることはなかったと。


 多くの読者は「あなた」ではないので、それは無理からぬ話です。


 「あなた」にとってみればノンフィクションであるこの呪いの記述も、「あなた」に該当しない限りはなんの影響も与えないフィクションに過ぎないのですから。


 ですので、この記述だけは、「あなた」ではなく、読者の方々へ向けてのものになります。


 ええ、すべて嘘です。妄想です。こじつけです。フィクションです。


 そういうことにしてしまいましょう。


 こんな出鱈目を鵜呑みにしてしまい、ノセボ効果によって自ら生み出した自己暗示的な呪いにかかってしまうことは、滑稽なのでやめましょう。


 ご安心を。


 明日からも、何も気にせず、元気に一日を過ごしていきましょう。


 それでは。


 おつかれさまでした。

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これは人体に影響のない呪いです。たぶん。 寺場 糸@本が出た @Terabyte

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