マグネット・マン、ジョンクレイン最後の上昇、ゴライアスの棍棒、そういうとこだぞ高島津くん、令和の時そば
その9 マグネット・マン
Sbt:えー次は、マグネット・マンですね。
篠織:コンテンツ詐欺その2ね笑
Sbt:まあ、愛の定義は自由ですから。この多様化の時代ですから。こんな愛があったっていいでしょう。
篠織:サトテルと那須が、どんな状況になっても別れられないって話なんだけど、名前の頭文字が磁石の『s』と『n』になってるって気づいた人いるかね。
Sbt:え、それは流石に……みんな気づいてるんじゃないですか?言わないだけで。
篠織:これは確か、st君が見たミュージカルが元になってるんだっけ?
Sbt:元になってるというか、本筋と関係ない部分ね。前のシーンで大喧嘩してた二人組が、暗転挟んで次のシーンで、何事もなく一緒に出てきたんですよ。
これ見て、『え?』って思って。でも、よく考えてみれば、これってあるあるだよなあって思ったんです。
篠織:我々もそうだしね 笑
Sbt:まあ、我々もそうだし。縁って不思議でね。昨日まで仲良かったのにある日突然決別したり。ずっと喧嘩してるのにずっと一緒にいたり。
それって自分らで制御できないんじゃないか? って思ったという。
篠織:まあ、それが果たして『愛』か? と聞かれると……
Sbt:愛です。愛なんですよ。あ、ちなみにそのミュージカル見て、思いついた自信作をまだ出してないので、そちらもお楽しみに。
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その10 ジョンクレイン最後の上昇
Sbt:次は、ジョンクレイン最後の上昇ですね。
篠織:これは本当はもう少し後に出そうとしてたんだっけ?
Sbt:ですね。短編の方で、シリアスなのと、ライト目なのが良い感じに交互に出せてたので、
ライト目なのをということだったんですけど、ちょっとマグネット・マンが、スロースタートすぎたなって反省があったんですよね。
篠織:まあ、実質六日続いて、見てくれる人も『これはどういう話なんだ?』って六日間思い続けるという。
Sbt:……で、期待されてるのは、いつ『例のサイボーグ出てくるの?』でしょう?
篠織:もういいって! その話は!!
Sbt:しかも短編と言っても我々は小出しに連載するから、多分見てる人も次の日の朝には前の回の事忘れちゃってるんですよね。
マグネット・マンなんてのはいい例で、連載終了後に一気見してくれた人じゃないと、よくわからない話だったと思うんです。
だから我々が本気で読み手に寄り添うなら、『1話目から事件が起こらないといけない』という結論だったんですよね。
篠織:俺が、誰かの創作論?読んだときは、『スロースタートがいい』って書いてあったんだけどね……
Sbt:でも、読み手は何も、我々の話だけ読んでるわけじゃないでしょう。よっぽど1話目でインパクト残せなかったら、
『これはどういう話だっけ?』って絶対なるんです。で、このジョンクレイン最後の上昇は、その辺りのことをモロに意識した作品ですね。
篠織:1話目からインパクトのある事件が起きる話ね。
Sbt:そこからは二人でディスカッションですよね。とにかく初球でインパクトを残したい! どうすればいい!?
で、いくつか案が上がった中で選ばれたのが『飛行機のエコノミー席でタバコを吸う』でね。
篠織:今思ったけどさ、だから、ここ近郊で投稿されてる作家先生はみんなこぞって『●●が●●したら●●して●●なんだが?』みたいなタイトルをつけるんだねきっと。
タイトル見たら『あ、そういう話か』って思い出すからね。
Sbt:あーなるほどね! でもちょっとタイトルは……妥協できないんです私……
篠織:頑固ってのは辛いね。
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その11 ゴライアスの棍棒
Sbt:続きまして、ゴライアスの棍棒ですね。
篠織:これも色々思い入れあるね。
Sbt:『ゴライアス』は最後に出てくるんだけど、登場の仕方がまた『例のサイボーグ』みたいだから、いかにも引きずってるって思われがちだけど、
実はこの話は、2022年に作ってたっていうね。
篠織:最初は芝居でやろうって話だったんだけど、如何せん、現実で起きた事件がベースになってる物語だから俺が待ったをかけたんだよね。
『2年待て』って 笑。
で、2年待って、意見が変わらなかったら世に出そうって。
Sbt:で、きっかり2年待って、意見が変わるどころか意見が強くなったから、もう『出す』って。
本当は、ネタ切れになったら出す予定だったんですけど、
ちょっと我々の生活サイクル的に忙しい時期と重なっちゃって、だからもうこれやろうってなったんでした。
篠織:怒ってたもんね。2年前か。stくん。
Sbt:ちょうど、精神的にもアレな状態だったんで。これ書いた時のことは覚えてますよ。第一稿は深夜に書いたんだ。
で、現代風に台詞の節々はいじったけど、タイトルもあのオチもこの時に考えたんでした。
だって、親が子供をぶったら『体罰』なのに、赤の他人が子供をぶったら『教育』になるっておかしいだろ。って。
篠織:俺はこれ読んだ時は、ちょっと引いた。
Sbt:そういう方多いと思うし、覚悟の上ですよ。もう『サイボーグは期待するな』って意味も込めてこれを出したところもありますし。
篠織:あれ?第一稿は、『例のサイボーグ』路線じゃなかった?
Sbt:そうなんですよ……。本当は、ゴライアスが出てくるところで第一稿は終わってたんですけど、
それだと完璧、俺の嫌いな『アレ』になるじゃないですか。
篠織:そんなに嫌うなよー仮にも自分の子なんだから 笑
Sbt:嫌いですね。ああいうの、嫌い 笑。だから、後日談だけ急遽書き加えたんですよ。レイプシーンまで書いて、
悲惨な終わり方にしてやろうって。
篠織:これは『良し』で、あたらしいホラーは『無し』なんだから、基準がわからんよ俺は。
Sbt:……喧嘩しますか?
篠織:あとでな。
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その12 そういうとこだぞ高島津くん
Sbt:続きまして、そういうとこだぞ高島津くんですね。
篠織:これは、思いっきりクリスマスにぶつけてやるつもりで描いたんだったね。
Sbt:大オチだけ、それこそ何年も前からあって。そこにどうやって持っていくかみたいなところに、
とある先生が、マグネットマンの最終話でいいコメントをくれたんでしたね。
篠織:濃厚な肉体がらみね 笑
Sbt:あなた笑ってるけどね。コメントもらった時のあなたの反応晒しますからね。
篠織:やめてーーー
Sbt:この男はね、人様からもらったコメントに、『だったら相撲でも見に行けよ』って言ったんですよ!?
篠織:はい。ごめんなさい
Sbt:でもそれ聞いて、あ! これはいい!! と。思ったんですよ。なんというか、バカだなーって。
で、元々、ゴライアスの棍棒で冷え切った空気をひっくり返すバカが書きたかったので、
こいつの失言を採用したんですよ。だから許してあげてください。
篠織:晒されたんで、晒し返すと、2話は実話なんだよね 笑
sbt:……はい
篠織:なんかの集まりで、仲間内でカラオケに行った時、st君が『粉雪』歌ったら、サビの部分で当時、仮歯だったst君の前歯が飛んだっていう 笑
Sbt:……それな
篠織:もう、当時大爆笑でね。俺は恥ずかしかったけど。
Sbt:俺が一番恥ずかしかったよ。
篠織:で、あ、この歌すげえな! って。その思い出からあの2話は生まれました。
Sbt:……まあ、結論から言うと、バカは我々だ。と。こういう話だね。これは。
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その13 令和の時そば
Sbt:次は、令和の時そばですね。
篠織:難産でしたね……
Sbt:そうねですね。年末に何書けばいいんだっつって。煮詰まってたら篠織さんが『じゃあ年越しそばの話だな』って言ったのがきっかけでしたか。
篠織:あんときの会議の空気は今でも覚えてるよ。寒い部屋でね。
Sbt:でも新しい作り方でしたね。我々にしてみたら。まず、原案を篠織さんが描いてきて、それをお互いが交換しあって手を加えたり削ったりを何往復かするという。
篠織:これを書いてる時点では、まだ投稿してないのでね……反応が怖いですけど。
Sbt:まあ、数打つことが目的ですから。
篠織:何が数打つことがそんなに重要なのか言っといた方がいいんじゃない?
Sbt:そうですねー我々は……強みは人数しかないものでして。そうなると生産力しか誇れるものがないんですね。
篠織:下手な鉄砲も数打ちゃ当たるじゃないですけど、コンクリートの壁を殴り続けたらいつかは向こうが崩れるって言う理論を本気で信じてます。我々。
Sbt:で、二人でやってるって言うのを公言してしまった以上はね。人よりも書かないといけないわけですよ。
篠織:まあ、書き手が二人かというとそうでもないから……労力は大変かかるちゃかかるわけだけれども。
Sbt:ぼやかない! えーと言うわけで、皆さん読んでいただけたら幸いです。
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Sbt:というわけで、今年はお世話になりました。
篠織:来年も、色々書いていきますので、お付き合い願います。2025年の物語でお会いしましょう。
連載中の「風雲ドゥングリムックリ城」もよろしく。
Sbt:それではみなさま、
Sbt、篠織:良いお年をー
SB亭 孟谷。ライナーノーツ 2024下半期 @SBTmoya
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