カエルのマユちゃん、異世界の真実・兄が語る現実、SUMIDAの雫、22:50に起きたこと、あたらしいホラー。
その4 カエルのマユちゃん
Sbt:次ですね。カエルのマユちゃん。
篠織:問題作ね。
Sbt:いや、俺は好きだよ? 今でも。
篠織:我々、お互い数少ない友達どうしなのだけれど、こと創作になると大げんかするからね。
Sbt:凝りもせずね。
篠織:でもこれに関しては……まあ揉めなかったか。揉めなかったというか……話あう余地もなかったというか……
Sbt:いや、揉めたよ。篠織さんが、これを10万字書くって言った時。
篠織:あー 笑
Sbt:例の『5万字ルール』はクリアしたから、俺はさっさと次行きたかったんだけれど、レビューもらったんだっけ?それで篠織さん調子付いちゃって。
篠織:違うの 笑 調子付いたんじゃなくてね。やっぱりどっかで10万字は書かないと、成長できないって思ったんだよ。
10万字書いたって言う経験と実績が欲しかったの。
Sbt:結果かけたからいいけどね……いやあ、大変だったよあれは。最後は気力というか、意地で書いてたようなもんだったからね。
誤字もひどいし。読み返してみると言葉もおかしいし。
『宏明』って書いたつもりが、孔明になったり、ひどい時は、『桶屋の罪状』の庄司が唐突に出てきちゃったり。
宏明の腕が今何本か、書いてる途中でわからなくなっちゃったり。
篠織:それを、毎回諸先生方からご指摘を受けてね。
Sbt:優しい方々でよかったよ? でもあんたな、それに対してなんて言った?
篠織:やめてー笑 言わないでー笑
Sbt:この篠織って男は『俺たちの作品はみんなで作り上げてるんだ』って開き直ったんですよ。俺は自分の耳を疑ったよ。あんたの人格と。
篠織:まあ、あと、不条理の荒野だから。なんとなく細かいミスが許されてしまうというね。
Sbt:これは反省しないといけないよ。これで開き直ってるうちは、それこそ成長できませんから。
篠織:まあ、でも、実績は作れたよね。10万字書くっていう。次から! 次から上手になろ!!
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その5 異世界の真実、兄が語る現実。
Sbt:次はこちらです。異世界の真実、兄が語る現実。
篠織:俺が一番好きなやつね。
Sbt:俺も好きだけどね。これは……そういったわけで、
何をやっても星も感想もレビューももらえない時期で、『じゃあいっぺん異世界もの書くか!』って篠織さんが言ったんですよね。
篠織:みんなの目を覚まさせてやろうっつってね 笑
Sbt:兄弟の会話ベースの、邪道も邪道の異世界ファンタジー……もはやファンタジーでもないか。
篠織:これを作ってる時も楽しかったよ。二人で、『俺たちはそもそも、異世界ファンタジーの何がそんなにいやなんだ?』ってところから始まって
Sbt:嫌だっていうか……まず『敵』の事をよく知ろうというところから始まったんですよね。
おすすめのタグに出てくる、『ハーレム』とか『ざまあ』とか、それは一体、どういうことなんだ?っていうね。
篠織:我々ひねくれものだから、そういう流行り物がアレルギーなんですよ。
Sbt:まあ……だから苦労してるんだけどね。
篠織:いいのいいの。いいのよ。それで、さっきも言った『ライターを目指す上での掟』の一つに、『死んだ言葉は使わない』っていうのがあって。
Sbt:具体的にいうと、まあ、流行り言葉に頼らないというか……あとj popの歌詞に出てきそうな節回しはやめようみたいなことですね。
篠織:そして実は、この物語がのちの作品の伏線になっていたという……。
Sbt:伏線というかね。多分これが投稿されてる頃には、連載開始してるんじゃないかな?『風雲ドゥングリムックリ城』の主人公、磯端建成が出てくるんですよ。
この短編に。
篠織:というわけで、まだ建成君が異世界に憧れてた頃の姿を見たい方は、ぜひ見てください……ってとこかな?
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その6 SUMIDAの雫
Sbt:続きまして、SUMIDAの雫ですね。
篠織:カクヨムコンを露骨に意識した作品ね。
Sbt:言い方悪いね 笑。 でも、短編って1万字以内のことなんだ! っていう指標が初めて見えたよね。
篠織:あと、我々にしては相当媚びた……わけじゃないけど、何せコンテストなるものに初めて『出すぞ!』って決めたから、
相当様子見はしたよね。
Sbt:否定はできませんね。戦争物って……難しいしセンシティブだから、本来手が出辛いんですよね。我々は。
篠織:学もないしね。
Sbt:そう学もないんだ。だから『かしこぶる』必要があったんだけど。これがまず大変だった。
篠織:……あ、大変だったのそこだったんだ?
sbt:ん?
篠織:まず、st君がこの話のために24キロ歩いた話はいいの?
Sbt:いいよ別に。まあ、俺が歩いて、篠織さんに膨大な数のラインと写真を送ったのはあったけど。
篠織:このSUMIDAの雫はね、俺覚えてることありますよ。
Sbt:ほう、なんです?
篠織:今でこそ笑い話にできるけどさ。あれね。隅田さんの最後のセリフ 笑
sbt:あー……
篠織:これはどっから話すのが正解? この物語、隅田さんが最後にセリフを言って終わるんだけど、
その最後のセリフを巡って大喧嘩したんだよね。
sbt:……うん。
篠織:最初、st君から謎のラインが来たんだよね。それまだ取っといてあるけど……
これだ。『この肉襦袢、20キロするんだ。20キロの肉襦袢をつけて俺は君に会いに来た。20キロ背負って……24キロを歩いたんだ』ってやつ。
これなんのことだかわかります?
Sbt:いや……本当にね……この物語に手を出すと決めた時に、最初に思いついたセリフがそれだったんですよ……
篠織:なんだこれ? って思ってて。そしたら第1稿のラストにこのセリフが出てきて! 雫ちゃんとの晴海埠頭のシーンで!!
『お前、これはないだろ!』って。
Sbt:本人は大真面目にそれ書いてますからね。
篠織:そうじゃなくても、小説では過去1揉めた作品じゃないかな? ほろ苦いね。この物語は。まあ、結果、記事にもしてもらえたし、
手応えみたいなものは感じたからよかったですけど。
Sbt:まあ、辛かったすかね。短編の中では。『カクヨムコンやるぞ!』 の一作目だったってのもあったけど。
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その7 22:50に起きたこと
Sbt:えー次は、22:50に起きたこと ですね。
篠織:現状、我々の代表作だね。
Sbt:まあ、これが代表作なのは納得いくし、出したタイミングもキマってたと思います。
我々の手持ちのカードの中で一番自信あったし。
篠織:うん。これ思いついた時は『やったぜ』って思った。
Sbt:最初にこれやるとね、いつか使いまわせるからね 笑
だからネタ切れしたら恥も外分もなく、使いまわすぞ。と、宣言しておきます。
篠織:アイデアだけはずっと昔からあったんだよね。で、最初芝居でやろうと思ってたんだけど、ちょうどいいから『カクヨムコンにぶつけよう』って。
Sbt:一万字以内にまとめるのが大変でしたけどね。
篠織:我々、こういう、アイデアのストックだけは腐るほどあるので、これからもお楽しみに。
Sbt:……うん。この話に関しては言うこともないかな。我々が珍しく揉めなかったってのもあるし。一度見てほしいですね。
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その8 あたらしいホラー
sbt:………
篠織:どうしたの。紹介してよ。
Sbt:嫌ですね。これは、語りたくもないというか。
篠織:まあ、これも揉めましたね。まず、22:50 に起きたこと の次がこれでいいのか?と言うところから揉めましたもんね。
Sbt:最初、篠織さんから、原案っぽい話をもらった時、篠織さんが何が言いたいのか理解できなかったんですよね。
で、あ、ホラーが描きたいわけじゃないんだ。って理解したらした上で、それでもこれはやりたくなかった。
篠織:ウケたっちゃウケたじゃない。
Sbt:まあ我々にしては、ね? でも恐れていたことは、起きたよね。
『この人たち、こう言うことするんだ』って思われちゃうの。
篠織:そうかなあ。自意識が強すぎるんだと思うけど。
Sbt:いや、現状、我々まだこの作品を引きずってるとこありますよ? これは由々しきことでして……
こう言う鼻につくというか……突飛なことすると、好きな人はこれを期待しちゃうし、嫌いな人は離れてっちゃうし。
結果表現の幅が狭くなるという。
篠織:考えすぎだと思うけどなあ。
Sbt:これですよ。これでいつも揉めるんです我々。
篠織:だって、もう出しちゃったんだもん 笑
それを後から考えたって仕方ないじゃない。それに我々の目的は数撃つことだから。
Sbt:それはそうですよ? でもなんというかなあ。数打った先にあるものを、遠ざけてる気がするんですよこれは。
などと、この話になるたびに答えのない会話になるんですよ。
我々の中ではトロッコ問題に次ぐ哲学問題です。
篠織:というわけで、この作品を知らない人は、篠織派からすると『みろ』、ST君派からすると『みるな』なんですよね。
Sbt:見て欲しくないっすね。いまだにこれでできた借金を返済してる気分ですもん。
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