世界は終わる。雪は降り続ける。

核戦争によって世界は滅びた。
生き残ったわずかな人々はシェルターへ逃げ込み、暗く狭い空間でひっそりと生き延びている。

本作はフィクションである。だが、その極限状況での人間の反応は、決して私たちの現実と無縁ではない。

人は何を守り、何を手放すのか。
そして主人公が最後に選ぶ決断とは。

終わりを迎えた世界に、ただ静かに雪が降り続ける。
その光景が胸に残る、重厚な終末譚である。

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