ワーライオンさんの群れ
観光で魔界のサバンナへとやってきた人間くん。人間の世界とは全く異なる生態系を前にしてはしゃいでしまった人間くんはツアーガイドの魔族さんの案内を外れ一人野生へと踏み込んでしまう。
ふと我に帰ると人間くんは広大なサバンナで一人きり、周囲に人間の気配は全くないし乗ってきたバスまでの帰り道もまるで分からない。それも当然、魔界のサバンナでは空気中に目には見えない特有の瘴気が漂っていて、これが少しだけ五感を惑わしてサバンナに入った耐性のない生物、たとえば人間を外に出られなくするのだ。
自身が安全ではないことを悟った人間くんは途端に怯えてしまうが、そこへワーライオンのお姉さんがやってくる。親切なワーライオンさんはなんと人間くんを安全なところまで案内してくれるとか。
地獄に仏とはこのことと、人間くんは感謝しながらワーライオンさんに案内してもらうことに。道中人間くんは、自分が観光で魔界を訪れたこととか今の職業とか、恋人が現在いないことや魔界に住んでみたいと思っていることや好きな食べ物や動物が好きなことや将来的な結婚願望があること、あれやこれやをワーライオンのお姉さんに話してしまう。
話が弾むうちに気がつくと……そこはツアーバスの目の前とかサバンナの出口とかではなくその真逆、サバンナの中心に位置する岩山に穿たれた洞窟の入り口だった。
洞窟の奥からは複数の誰かの吐息が聞こえてきて、人間さんのすぐ後ろから「ね? 安全ないいとこだよ? これからキミは働かなくてもいいの、ちょーっとワタシ達の相手をしてくれればそれでいいんだよ?」とくすぐるように囁かれて、洞窟の中にいるのがお姉さんの姉妹達でありこれから自分がどうなるのかを薄々察してしまう話。
人外、モン娘、魔物娘、上位存在の女の子に【人間くん】、あるいは【あなた】が好き放題されてしまう短編ストーリー集 ももちもち @momotimoti0000
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