エピローグ:永遠に続く警告

時は流れ、村は新たな世代に受け継がれていった。リナとユウの世代から何十年もの月日が経過し、村人たちは「オオカミの呪い」にまつわる伝承を忘れかけつつあった。しかし、毎年の満月の日になると、かすかに風が変わり、かつての災いを思い起こすかのように村は静まり返る。


ある晩、村の若い娘が古い文献を見つけ、その呪いの記憶を再び掘り起こそうと試みていた。彼女の名はアオイ。ユウの子孫であり、長年にわたり失われた伝承を探し求めていた。アオイは、再び「オオカミの呪い」が動き始めている兆しを感じ取る。


アオイは村の古老に助言を求めるが、彼らもまた、過去の恐ろしい経験を忘れ去ることを望んでいるようだった。古老たちは言葉少なに、ただ「夜遅くまで起きている者には災いが降りかかる」とだけ警告を残す。アオイはそれでも諦めず、呪いの真相を解き明かすために夜毎に文献を調べ、研究を続けた。


やがて、アオイはかつての魔法使いの末裔であり、彼の禁断の力が現在の呪いの根源であることを突き止める。そして、再び儀式を行う必要性があることに気づく。しかし、前回と同様に、その儀式には多大な犠牲が伴うことも理解していた。


最後の夜、アオイは自ら儀式を行う決意をする。村の安全を守るため、彼女は一人で森の奥へと向かい、かつて失われた魔法使いの力を呼び戻すために必要な手順を完遂する。儀式が終わった時、周囲は静まり返り、満月が輝く空だけがその儀式の跡を照らしていた。


アオイは命を失わずに儀式を終えたが、その代償は大きく、彼女は失った者たちの記憶と共に生き続けることとなった。村は平和を保ち続け、その警告は忘れられることなく、新たな世代に伝えられた。


そして、毎年の満月の日には、かつての悲劇が静かに思い起こされ、村人たちは「夜遅くまで起きている者には災いが降りかかる」と再び伝承を繰り返すのだった。そうして、永遠に続く警告の輪が、時代を超えてもなお繋がっていくのである。

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オオカミの呪い 影守 燈 @m-k_21

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