こういう骨太な本格ファンタジーが読みたかった! 大勢に読まれてほしい。

冒頭、勇者パーティーから追放されるシーンからスタートするものの、まずその会話のやり取りや地の文からして文章力が非常にハイレベル、かつ、骨太な筆致で、「これは(カクヨムの中においては)ちょっと他とは違うぞ!」という期待に胸が膨らむ。
その後、読み進めていくと、期待はまったく裏切られることなく、読み応えのある物語が展開していき……女主人公アレクシアの逞しい行動と壮絶な過去、勇者サイモン・ハルトへの疑問、ひとくせもふたくせもある魔導士イザークという男の真意……など、など、「続きが気になる!」が増え、気づけば更新を楽しみにしている自分がいる。
がっしりと練られた物語という点で「本格」を味わう楽しみがありつつ、個人的に、特に好きなのはこの物語を語る上での「文章」。読んでいて心地よく、丁寧で、本格にふさわしい力を備えており、文字を追うだけでも楽しい……!

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