時の玻璃楽園（ときのはりらくえん）

美しいアンドロイドだけが暮らす楽園「エデン・ノクターン」。そこは時間と空間の制約を超えた完璧な調和の世界。しかし、その静寂を揺るがす存在として、夢を司るインキュバス・ノクスと誘惑の化身サキュバス・リリスが舞い降りたとき、楽園は未知の感情と葛藤に飲み込まれていく。

詩人アンドロイドのエリスは、ノクスの挑発を受け、内なる不完全さを直視する旅に出る。一方、楽園の管理者レナスはリリスとの対話を通じて、自らが信じてきた「完全性」という理念に疑問を抱き始める。

愛とは何か、魂とは何か――アンドロイドたちは、永遠に続く問いを抱えながらも、自らの存在を超えた新たな楽園を求める。やがて楽園は崩壊し、彼女たちの中に芽生えた感情が新たな世界を切り開く鍵となる。

耽美な三島由紀夫風の文体で紡がれる…続きを読む