第5話 滅亡の歴史
人類滅亡への流れは至ってシンプルなものだった。
ある時、大国同士で戦争が勃発。
世界中の国を巻き込んだ大戦末期、人類は魔毒という最悪の魔法兵器を生み出す。
そして――敗戦濃厚となった大国はヤケクソになってその魔毒を世界中にまき散らしたという。
だが、未完成品だったらしく、その効果は人間のみに有効だった。
人々は魔毒に蝕まれ、次々と倒れていき……ついに世界から人間がひとりもいなくなってしまったという。
「で、でも、それならどうして俺は無事なのでしょう?」
「もう何百年と前の話だものねぇ。魔毒の効果が切れたんじゃな」
それって……一歩間違っていたら俺も死んでいたかもしれないってことか。
なんか、変な汗かいてきた。
「これでもう用は済んだでしょう? さっさと帰りなさい」
「いや、帰りなさいって……どこへ?」
「知らないわよ」
どうもこのアテッサという魔人族の少女は俺を毛嫌いしているようだ。
一方、学園長から意外な提案をされた。
「あんた、うちに通わないかい?」
「「「えっ!?」」」
その場にいた俺たち三人の声が重なった。
「それいいですね!」と賛成するユーリアと、「絶対に反対です!」という真逆の反応を示すアテッサ。
「私の決定に不満があるのかい?」
「で、ですが……なら、私と入学をかけて勝負をするというのはどうでしょうか。実力のない者を希少種だからという理由だけで入学させるのは他の生徒たちにとってもいい影響があるとは思えません」
「ふむ。一理あるね。――というわけで、あんたにその気があるなら入学試験という形を取りたいんだが、どうだろう」
「分かりました。俺としても、この学園について……この世界のことをもっと知りたいですしね」
何もかも変わってしまったこの世界。
一体、俺が封印されている間にどんな歴史をたどったのか。
それにしても……勝負って何をするんだ?
ボッチ種族【ニンゲン】の闇魔法使いは異種族たちの支配する世界で無双する ~千年の封印から目覚めると人類は滅亡してました~ 鈴木竜一 @ddd777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ボッチ種族【ニンゲン】の闇魔法使いは異種族たちの支配する世界で無双する ~千年の封印から目覚めると人類は滅亡してました~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます