お目汚しの与太話(ダイエット?)

鈴ノ木 鈴ノ子

おめよごしのよたばなし(だいえっと)

 これは聞いた話であって、決して、決して、語る私の話ではありません。


 友人から聞いた話です。


 それを聞いた途端、私は目から鱗が落ちました。

 あまりにも想像を絶するお話だったからです。何をどう考えたらそうなるのか、そもそもそのそこまでする必要があるかすら、私には疑問なのですが、まあ、当の本人達が夫婦円満に過ごせているのなら、良いと思います。


 もし、ここまでで興味を惹かれているようでしたら、続きをお読みになっても、決して引かないでください。


 もちろん、真似もしないでください。


 責任はとれません。


 絶対に嫌!


 ほどよい大人なんですから、自己責任でお願いします。

 やんちゃな大人はおやめください。

 読み終えてからきっと思いつくことはロクデモナイことになると思います。

 ちなみに女は、いつまでも、いつまでも、それこそ、今際の際に至るまで、つがいがスッポリと忘れているであろう、数々の気に障る罪深い行為のすべて覚えてます。


 お覚悟下さいね。

 

 コホン!さて、ある50代の夫婦がおりました。

 旦那さんは会社員で事務方のお仕事をされています、奥さんも会社勤めで同じような仕事についていました。

 2人の子供達も程よい年齢で手を離れており、1人は大学生、もう1人は推薦で寮に入り部活動に励んでいるので、自宅には2人しかいない生活となっていました。


 さて、40代あたりから50代と過ぎてゆくとお腹周りなどに気をつけていても、ぽっこりとお肉が付いてきます。疲労により体調を崩すこともしばしばですし、風邪をひくと運が悪いと長引いたりも致します。

 まあ、個人差がありますけど……。

 夫婦の営みも少なくなり、互いに溝ができたりもします。

 これも激アツから淡パクまでの個人差がありますけど……。


 この夫婦も御多分に洩れずですが、仲は良く休日に連れ立って出かけたり、食事を共にする程度には仲が良いのですが、旦那さんも奥さんも太り始めたことが悩みでした。

 フィットネスクラブなどは奥さんが苦手で、外でのウォーキングなどは旦那さんが苦手、どうしようかと悩んだ末に、偶然、私の三日坊主で使わなくなって久しいエアロバイクを手に入れた訳です。

 旦那さんも奥さんもこれならと毎日乗っていたのですが、運動を終えたあとで旦那さんが迫ってくることが多くなったそうなんです。

 

 30代の夫婦並みに……営みがですよ。


 50代に入りますと、女性ももちろん、男性も性欲に翳りが見え始めます。接触の悪いスイッチと盛り上がりに欠けると言いますか、少々下品な言い方で申し訳ないのですが、湿り気を帯ないし、棒にもならない、とでも申しましょうか……。

 とにかく互いを見ても、こう、クルもの……、そう、ときめき、ときめきが無くなるんです。

 着火剤のようなものがないと火がつかないんです。火がついたら炭火のようにじっくりと燃えてゆきます、すぐに大火なんてことにはなりません。まぁ、燃え始めて消えゆくなんとこともしばしばです。

 さて、くだんの夫婦のお話に戻りますが、奥さんも不思議に思ったみたいなんですね。それで、旦那さんの行動を、そこはかとなく悟られないように追っかけてみたんです。

 齢を重ねると女にはこの技術が勝手に身につきます。


 だから、時折、悟るんですね。

 

 ア、コイツ、ナニカイルナ……と。


 奥さんは探るのですか、一向に怪しい影もない。(いきなり頻度が増えるのは特に怪しいサインらしい)

 でも、法則性は見つけました。

 決まってエアロバイクのシャワー後に求められます。

 体を動かしたから?

 何か怪しいサプリメントを?

 などなどと悩みましたが、やがて、簡単に解決を致しました。

 エアロバイクの前にはタブレットを置くスペースがあります。もちろん、小さなタブレットではなく12.9インチサイズの大きなやつです。

 奥さんがドアの隙間から覗き見ると、その画面には、あだるとナびでおガ!(今でもビデオと言うのでしょうか?配信だと言い方が違うのかな)

 そう、旦那さんは二重の意味で循環を良くしていた訳です。いろんな意味においての循環を……。

 そのまま手をつけられたら奥さんも嫌になりますが、きちんとシャワーを浴びて、そしてたっぷりと目を見て名前を呼んで愛してくれるから……頬を赤らめながらの話を聞いて、私は小娘じゃあるまいし!と目を覚まさせるために引っ叩いてやろうかなと思ったほどです。(脳裏にファイ!ファイ!ボンバ…の独特な音楽が流れましたね)

 

 ですが、全てにおいて効果は絶大です。

 

 旦那さん、久しぶりにお会いする機会があったのですが、引き締まった肉体と筋肉質の腕と脚をお持ちでしたよ。奥さんはあの腕で抱きしめられたら死んでしまうんじゃないかと思えてしまうほどに、ご立派でございました。

 

 もちろん、お話を聞いているので、私の中でその魅力は木っ端微塵に吹き飛んでおりましたけれど。


 そんなこんなのお目汚しの与太話、では、これまで。

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