14.性欲マシン、参上!ループオブザ性欲。マシーン。
それからの僕は、仕事と家を往復するマシーンになった。気がする。
この時の僕のことをあまり覚えていない。 何をしてもくだらないと思っていた。仕事も馬鹿らしかったし、サボったり休んだり……
は出来ない気の弱い人間だけど、今まで誰にも見られないけど、誰かのためにやっていた事なんかを全て辞めた。この世界への反撃をしている気分。一生懸命やっている風に見せ、上司からの評価を1番にした。もちろん今までもそうであったが、例えば自分の仕事についてこれない人、仕事が遅い人には、聞こえるように嫌味を言った。その人を奮い立たせるという大義名分で堂々と嫌味を言っていた。その際には、その人が極力嫌がるであろう言葉を敢えて選んだ。タバコも久しぶりにまた吸い始めた。大学生の時、カッコつけて吸っていたが(当時はふかしていただけ)いよいよ本格的に吸い始めた。ヤニクラして仕方なかったが、慣れてくると、歩きタバコしながら退勤するなどもしょっちゅうだった。自分が壊れていくことを十分に理解し、でもそんな風にクズになっていく自分を世の中に見てほしいとまで思った。
馬鹿だと思うかもしれないが、それをカッコいいと本気で思っていた時期。その中でも本当にクズになったのは性欲に関することだ。
学生時代の友人。先輩後輩に誰彼構わず声をかけ、飲みに誘い、夜はホテルに誘った。
僕は何度も
好きだ、
好きです、
好きだよと言い、
愛のあるセックスを装ったが実際にはただの性欲処理にしか考えてなかった。終わった後、連絡が取れなくなった友人も多くいたが、そんなことは関係なかった。しらみつぶし、誰彼構わず、しまいにはデリヘルにも手を出し、お金も多く使った。最低限の生活のために必要なお金を残し、遊べるお金の全てを飲み代、ホテル代、デリヘル代に使った。お金に困ったと思うが、どうせ、
いつかは死ぬ僕がお金をたくさん持っていても仕方ないと思った。全部使い切って死にたかったから、貯金なんかどうでも良かった。ただ今の自分が楽しければ、人で寂しさを満たせればそれで良かった。
たまたま相性が良かった後輩と何度かシた。
そのうちに愛が芽生えかけたのが分かった。
夜、抱きしめながら寝ていたら、
「好きになった」
と言われた。僕はそれを受け、心から嫌悪し、こちらから会わなくなった。違うそうじゃないんだ。恋なんて求めてない。
信頼とか信用とか情とか愛なんていらないのだ。そしてこの時に気づいた。僕は君に依存している。とんでもないくらい依存している。君のことなんて微塵も忘れることなんて出来ていなかった。だから、僕は君の要素を少しでも減らすことにした。僕は大学生以降の半数以上の女性たちと人間関係を、壊した頃、ようやっと、決意をする。
猿はベートーヴェンを超えられるか 木田りも @kidarimo777
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