13.決断。

 

君との電話。




「あのさ、今良いかな?」


「はい、用意があるので短いと嬉しい……です」


「うん、ごめんね、ありがとう。」


 

君は友達と旅行に行く準備をしている。

だから時間を奪うのは申し訳ない。

僕は言葉を詰まらせるけど、もう決めたことだ。どうしても今日話したい。

だから意見を曲げないで話す。

 


「このままダラダラと関係を続けてもあまり良くないと思うんだ。だからさ、…………」


 

決めたことだけど、言葉にするのが本当につらい。




「うん」



「…………」


「…………」


「…………」

「………?」

「だからさ、これからはまた、友達から、友達っていう関係に戻るっていうか、、……友達でいよう。」



「うん……………はい。」




僕たちは付き合う前はただの先輩後輩だったから、君が言葉を敬語に少しずつ戻していくのが耐えられなかったのもある。




「じゃあ、そういうことで」


「わかりました。わざわざ電話ありがとうございました。」


「いえいえ、こちらこそ」


 

堅苦しい会話、重苦しい空気の電話を切り、1人。家に帰る。
いつも感じる静寂がぼくに不変と重苦しさを味わせる。あまりにも呆気なく関係が終わった。まだたぶん理解出来てない。


 あー終わったんだ〜って感じ。終わったんだ〜。 

 でもほとんどの理由が僕にあると思う。僕は君を無意識に傷つけていた。君を理想化し、君に寄りかかり、君に僕の全てを託すような振る舞いをしていた。こういうのを重たい彼氏と言うのだろう。君は僕と別れて平気なのかな。見えないところで泣いてくれてたりしないかなとか考えてた。


 ほら、こういうところ。

これは全て君を中心に置いていると見せかけて、自己中心的な考えだ。こんなところがつくづく自分の嫌な部分だって思う。泣きたいけど、泣けそうにない。こんなんじゃ泣けない。何に泣いて良いのか分からない。世の中が上手くいかないことについて?それも自分のせいでしょう?泣く資格なんて微塵もないんだよ。


これはちゃんと考えてから行動しなかった自分のせいだ。信用も信頼も壊れた今、僕?ぼく?には何が残るのだろうね。


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