幼少期編
第2話 振り出しから
巨大な屋敷の一室。暖かな太陽の光が差し込むその空間に幼子が一人すやすやと寝ている。
少し空いた隙間より優しく頬を撫でるような風が吹く。
次の瞬間、幼子は目を覚ます。
そして周りを見渡し違和感を覚える。
「ここは何処だ、、、何故俺は生きている?」
そう呟きながら小さな眉を顰める。
記憶が正しければ、俺はアイツに敗れて死んだはず。
だが、妙にこの部屋には懐かしさを感じる。
そこで自分の身体を見て驚く。
「、、、もしかして俺は過去に戻ってきたのか?」
一度転生を経験しているのでもう一度転生したとしても不思議ではない。
だが、一度目の転生と違って、今の状況は過去の自分に未来の記憶だけ持って時間が逆行したという方が正しいだろう。
「今の俺の年齢はおそらく4歳、、、ということは一度目の俺が前世の記憶を思い出す2年前か」
一度目の転生で俺が前世を思い出したのは6歳の時。つまり、一度目の転生時よりも2年もアドバンテージがあるということだ。
更に今の俺には四川唐林として武林の頂点に上り詰めた記憶もある。その分、一周目よりも効率的に修行を進められる。
「ハハ、、、ハハハハハ!俺はもう一度やり直せる!」
思わず笑い声を漏らしてしまう。側から見れば4歳児が大人びた笑い声を漏らしている奇妙な状況。だが、今の俺はそれだけ興奮していた。
俺から全てを奪った者から今度は俺が全てを奪うことができると。
「今ならまだ間に合う」
まずは四川唐家での俺の地盤を固めるとしよう。
前世では四川唐家第四婦人、俺の今世の母を助けることはできなかった。
俺が5歳の頃に不治の病といわれる『黒紫病』によって命を落とす運命にある。
だが、今の俺には前世の記憶がある。その中には不治の病の治療方法も存在する。
前世では唯一俺の味方でいてくれた母を今度こそは救ってみせよう。
そのためにはまずは力が必要だ。
こうして後に神仙に至る者の物語は始まった。
神仙伝説〜武侠世界の転生者、二周目で最強に至る〜 @bunsendousi
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