絶対に人を屠る魔剣が(スレイヤー)、虫をも殺さぬ思想(アヒンサー)

“ 何千年も前のこと、エルフを名乗る独りの青年が、人族を率いて、強大な魔王と、魔族を打倒した。
　
　魔族の残党を辺境に追いやり、魔王を倒した青年は、その功績を讃えられ、エルフの国の国王となり、人々は七つの国に分かれた。
　
　魔族を脅威とみなしたエルフの国王は、それに対抗するために、特別な武具をそれぞれの国に一つずつ与えた。

「それらは、魔族から奪った技術と、私の知識を融合して作ったものだ。何にも負けない、進化をする力をもつ。唯一、対抗できるものだとしたら、それら自身であろう」
　
　エルフの国王は、人知れず、自らの土地に魔王の邪悪を封印した。エルフの国は、永世無争国を名乗り、ひっそりと穏やかに暮らそうとした。

──が、力を手にした人々は、信念、名声、領土、富、宗教など様々な理由をつけ…続きを読む