海賊女傑の栄枯盛衰

海賊国家。
何ともロマン溢れる響きです。
しかもそれがとある女傑の手によって実際に存在していたというのですから、心くすぐられるものがないわけがありません。
本作は残された少ない史実をベースとして構成された、いわば司馬観的作品です。
筆者様には、よくぞこの僅かに語られるに留まるマイナーな歴史を取り上げ、ここまで鮮明にクローズアップされた、と万感の思いを持って拍手を捧げたいものです。
とてもコンパクトにまとまっていますが、そのボリュームと読了後の満足感は確実にそれ以上のものを約束します。
歴史に多くは語られぬ海賊国家の女傑の物語、刮目して焼き付けよ。

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