はい、高校時代に放送部だった私が来ました。
ソース卓の上でソースカツ弁当食べる悪い子でした。
そして放送部の日陰者感というか、影の薄さというか、人気のなさがひしひしとよく伝わってきます。
わかる、わかるよ、「それって部活として必要? 委員会じゃなくて?」って立ち位置なんですよね、放送部って。
自分の時も割と廃部ギリギリな状態だったなぁ……。
なので、この放送部の立ち位置の再現度にはなかなかリアリティがあります。
その上で主人公の力量を鑑みますと、実に放送部としての実力が高いと感じられます。
というのも、原稿なしのアドリブでマイクに語り掛けるのって、素人には非常に難しいことなんですよ。
それが単なるお知らせ的な内容であったとしても、滑らかに朗々と、かつ聞き取りやすく語るのは、存外難しい。
それがフリートークともなればなおさら、何しろ無音を作っては放送事故になりますからね。
そんな放送を、録音を再生させるわけでもなく、毎回きちんとマイクに声出しして放送しているのは、確かな実力がないとできません。
N杯のアナウンサー部門とかでも上位入賞しそうですね。
そういう実力者だというのなら、確かなファンがいても不思議じゃないです。
そしてそこから思いがほとばしっても。
物語としてはまだ始まったばかりではありますが、伸びしろが期待できる作品です。
古参ファンを気取るのなら今のうちに読むしかありませんよ。