最終灯
翌日、昼過ぎまで寝てしまっていた僕はすぐスマホをチェックすると、佐伯さんから夜中にDMが何件か来ていた。
【ヤバイ・・・・・・めっちゃ写ってる。五?六体ぐらい】
【○○駅のあっこにはもう行かないで】
【ごめん、もうわたし行けない】
僕は焦ってすぐに返信じゃなくコールをするけど、佐伯さんは出なかった。【どうしたの?なにがあった?】って、後で返事も何件かして、折り返しを待ったけど何日経っても音沙汰が無い。心配になって佐伯さんの家まで行って見るけど、誰も居なく返事もない留守が続いた。
学校が始まって大学で佐伯さんの姿を探すけど、見つけられない。佐伯さんの友達に聞いても誰も知らなかった。
数か月後、もうこれで最後にしようと思いながらもう一度だけ佐伯さんの実家にまで行って見ると、玄関先に佐伯さんのお母さんが出てきてくれた。
「・・・ごめんね、あの子いま入院しているのよ」
それを聞いて驚いた。どうしたのかを聞いてもはぐらかされ、お見舞いに行きたいからと入院先を聞いても
「ありがとうねぇ。伝えておくから、あの子が大丈夫だったら連絡があると思う。ごめんなさいねぇ」
具体的な情報は得られなかった。無事ではなさそうな事態ではあったけど、でも完全に消えたわけではないことに少し安堵した。どんな容体かも分からないが、回復する可能性があるから入院しているわけで、僕は佐伯さんの言いつけ通り二度とあそこには行かないようにした。
ただ、なぜ佐伯さんの警告は踏切や小川の方ではなく『母校の方』なのだろうか・・・・・・
謎は分からないまま、僕は今でも佐伯さんからの返事を待っている・・・・・・
~碧い外灯~ END
『心霊”未遂”事件』~碧い外灯~ イメージ画⇩
https://kakuyomu.jp/users/silvaration/news/16818093073269176411
本編のオムニバス⇩他の作品もあります。
短編・実話怪談 「心霊”未遂”事件」⇩
短編ホラー『碧い外灯』【カクヨムコンテスト10短編用】 白銀比(シルヴァ・レイシオン) @silvaration
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