11話
ベルヴェールは魔巣窟から帰ってきた。
(いやいや、あれは帰ってこされただ)
ベルヴェールは残念な事に
(おい、残念て聞こえてた気がしたが?)
……
ひえー。
ゼロツー消さないでね。
by作者
……コホンコホン
ゼロツーと、可愛いムカデちゃん。
共作の設置型魔術式。
『子猫の転移魔術陣』を使い戻ってきた。
屋敷に戻ってきた。
ベルヴェールは戦闘中の出来事を、ナビサポーター役のゼロツー、黒い影の人形。
そして、シャンゼリオンにベルヴェールこと大地を元々、連れて来た。
今はベルヴェールを呼ぶために寿命と魔力を殆ど捧げて、身体無きし魔力も枯渇気味の光りの人形。
天才魔術師と研究者のアンジェリカに伝えた。
そしてベルヴェール不在時に行っていた。
『生命ある創世魔術』の準備にベルヴェールも含めて。
一緒に取り掛かる。
魔術陣も大詰めで、今はそれぞれ素材を出し合って。
いくつもの集合した魔術、魔法陣に素材を振り分けていた。
そんな時にアンジェリカがゼロツーに改まって尋ねる。
『我の持ち合わせてる。素材も使えないかと思うてのう……』
そう言うアンジェリカの話しを聞いて。
一度静まり返る。
アンジェリカの屋敷と冥界ダンジョンの空間を繋げた広い部屋。
一瞬シーンとした時間が流れる。
そして
ゼロツーはアンジェリカに呆れて。
ベルヴェールは単純にその素材に驚いて聞き返す。
『
……
龍、竜種の最上位種の一匹。
その長い寿命で得た知識で最上位魔術を放つ。
異世界によっては始祖、始まりの竜とされてる場合もある。
それと近い
素材としては、かなり価値がある。
だがゼロツーは別の事を考えていた。
(
……
ゼロツーはじゅるりと。
違う意味でも、使えるも何もといいたげに……
呆れながらアンジェリカに伝える。
「希少でも、なんでも、シャンゼリオンでの素材なら足りないくらいだ。じゃぶじゃぶ使え」
ベルヴェールは、その言葉に考える。
(じゃぶじゃぶてお金かよ!? よく意味合いは分からないが……水の様にて事か? 駄目だゼロツーだしわからない)
多分テールスープを考えてた余韻だろう。
ゼロツーは続けてアンジェリカに尋ねる。
「俺からも一つアンジェリカはシャンゼリオンの金、硬化や通貨の類は持ち合わせあるか??」
アンジェリカは突然通貨の類の質問にたじろぐ。
「むっ……金か……少ないがあるにはある。ただ今は分からぬが昔は小さな宝石等で、やり取りしていの。それをはどうかの? 使えるか?」
アンジェリカの返事を聞いた。
ゼロツーは更に指示をだして。
生命ある創世魔術陣の内容を詰めて行く。
「金があるなら。それも魔法陣に適当に置いてくれ。宝石はそうだな……アンジェリカの用意した。マジックアイテムと一緒に置いてくれ。あ、後、
アンジェリカは答える。
「うむ。そうすると分けた方がいいな。その散りばめた財宝の類と重ねても?? 良いのだろうか??」
「ん、ああいいぞ。あっそうだ」
思い出したようにゼロツーはベルヴェールに伝える。
「魔法陣が完成して魔力を込める際、詠唱するんだがこれ渡しておくわ」
…………
一枚のスクロールを手渡される。
ベルヴェールは黙って受け取る。
「………………」
ベルヴェールは思う。
(まさかと思うが……)
改めてゼロツーに尋ねる。
「これは?」
「カンペ」
素早く言葉を返すゼロツーとベルヴェール。
「おい!! なめて……」
だがベルヴェールは一度。
冷静に考えてみる。
(アンジェリカの作った。生命有る創世魔術は、一生に一度しか使えない)
「…………いや必要か。取り乱した」
それはベルヴェールに改めてゼロツーが、改変しても変わらないと伝えられていた。
ベルヴェールは納得しスクロールを目にする。
……
そしてゼロツーが改めて。
ベルヴェールに伝える。
「そうそう、それにな? 大体さっきも魔力使いきったんだろ?? だったら疲労感もわかるよな?? お前には出来るだけ。
ベルヴェールは話しの続きから尋ねる。
「そういえば。ゼロツーは腹心? を蘇らせるんだろ??」
ゼロツーは少し言葉を訂正する。
「蘇らせるとは違うな。生まれ変わりも? ……少し違うか、適応させる。そが近いな。それに蘇らせる!? って、まだ死んでねえよ。寝てるだけだ」
…………
そんなもんかと思いつつ。
ベルヴェールは渡された。
スクロールを読み耽るのであった。
……
読みふけるベルヴェールを横に。
アンジェリカは作業が落ち着いたのか、ゼロツーに尋ねる。
「
ゼロツーは影だから、無い目で見てみる。
(……本当に見えてるのだろうか)
チラッとみたベルヴェールが人知れず思う。
ゼロツーが心を読めるとは知らず。
(はあ)
ゼロツーは改めて見てみると。
アイテムボックスを入れていた。
マジックアイテムの箱を見てゼロツーは思う。
(こちらの世界での時止めとか、そんなとこか)
ゼロツーは言葉にして続ける。
「細かい彫刻。それと結構な数の小さな宝石達が綺麗に飾られてる。それに時止めのマジックアイテムか? まあ、いいんじゃないか」
アンジェリカが感心するように答える。
「ほお、一目見てすぐわかられるとは流石ゼロツー殿、いや冥王殿。実はこの散りばめられた宝石…………」
ゼロツーはアンジェリカの話しに反応する。
「あーはいはい。細かいの宝石だけで十分だよ」
ゼロツーは心のなかでガッツポーズ。
(今のはうまい!!)
ゼロツーは続ける。
「アイテムボックスは価値こそ高い。だが見た目で比べると、この宝石箱と比べれば。価値の分からない者からしたら首を傾げるだろうよ」
アンジェリカは嬉しそうだ。
「ほおほおそうなんじゃよ。会えて見た目を抑えてな…………」
ゼロツーはまた話しを切り替えす。
「あーうん。箱は問題ない。おーけーおけー……あ!! そうだな竜種か!! 俺も出そう」
そう言うと突然亜空間から、流石ゼロツーと呼べる物を出した。
――轟、轟
――轟、轟
いやドン!! となってはいないが、突然だされたそれ、否、そいつらは二匹いた。
大きく三つ横並びになった魔法陣よりも一匹でもはみ出る大きさだ。
突然の事で、驚く。
ベルヴェールとアンジェリカ
アンジェリカが恐る恐る尋ねる。
「こ……これをどうするのかね?」
(あーよかった興味がこっちに移ったな)
ゼロツーはアンジェリカを見ながらそう思い。
説明をする。
「どうするて?? 素材は、ちなみに二匹でワンセット。あ、そもそも種族が分からない。だが見た感じ。多分だけど……竜種で名をウロボロス」
ゼロツーは説明しながら思う。
(あれ? 竜? ん? 蛇じゃないか多分。まあいいか。使えるものは使って)
ベルヴェールが疑問に尋ねて来る。
「それって神話に出てくる魔物? 神獣の類だろ?」
ベルヴェールは日本に居た頃、本かなんかで聞いたのだろう。
「詳しくは言えない。だが二匹でワンセットで二つ素材をそのまま使う」
ベルヴェールが尋ねる。
「こ、これは大きすぎる。魔術陣全体に入らないんじゃないか??」
アンジェリカも素材に興味が出たのか。
「うむ。確かに、この大きさならば全てと言わんでも」
ゼロツーは話しだした二人に対して。
「わかった。なら、入らないなら切ればいい。そして重ねればいいじゃないか」
ベルヴェールもアンジェリカも驚く。
『え??』
ゼロツーは……その後、ベルヴェールに黒刀を指差し示し。
一言。
「切れ」
だがアンジェリカが間に入って。
「そんな勿体ない事を……」
ゼロツーもアンジェリカに研究者としての熱意に我慢が限界なのか? 周囲のプレッシャーがあがる。
このままだと、危険を感じたのか?
ベルヴェールがアンジェリカを説得する。
「どうせ生命有る創世魔術で消えるのだから。決して無駄にはならないさ」
アンジェリカにそう伝え、説得し切る事にした。
……
ゼロツーは何やら嘆いている。
「また別で、色々な世界に行ったのに。縮小や拡大のスキルは今の所無かったなあ。今度、時間あったら探しに行こうかな!?」
ベルヴェールは思う。
(ゼロツーブレねええ)
そんな話を聞きつつもベルヴェールは魔法陣に並べてあった黒刀を手に取る。
ベルヴェールはふとゼロツーに尋ねる。
「そういえば、森や荒野で刀を使ってみたんだが魔術が大半で武技と呼べるかは自信がないが、なんかこう……一刀両断!? みたいな技はないか?」
ゼロツーは考えることもなくポンとアドバイスする。
「そうだな、今はまだ、
ベルヴェールは不思議そうに聞き返す。
「空間を切る?」
ゼロツーが再び質問を聞き返す。
「別に空間じゃなくてもいい。火属性でもいいし、黒刀があるんだ闇属性でもいい。とにかく一太刀で切りたいんだろ?」
ベルヴェールはゼロツーの短いアドバイスを自分なりに考える。
(空間、火、闇、……空間? 早さ……か)
ベルヴェールは何やら思い付いたのか? 徐ろに構え黒刀に魔力を流す。
(自己時間加速、瞬閃、神閃、時超える絶剣……)
「
流派絶剣(必中)の
火属性の自己加速の応用。
自身でなく武器に多重付与し。
闇の黒刀も相まった結果。
その斬撃は、ほんの少しの時間を
ゼロツーは思う。
(お。空間魔術に足がけになったな。こらからの生命ある創世魔術に備えて百二十点満点だな)
魔術第七階梯……極大魔術の一つ前。
……その威力は数十人を死に至らしめる。
これも融合の影響か? はたまた偶然か?
ベルヴェール流
名前の通り。
次元を斬り。
火魔術を帯びた。
絶剣の紅い黒刀が一閃する。
また現在に戻る際。
タイムパラドックスが起き。
対象者は切られた事を認識した際に熱を感じる。
だがそれは、氷点下になって。
身体が凍り焼けるからである。
『
技の由来は太刀を振るうの際。
現在では視認出来ない為。
そして、ベルヴェールこと大地の前世が、零戦に乗っていた為である。
――ザ
――ザ、斬、斬斬……
次々と斬って行く。
斬
切断された。
ウロボロス達はぶつ切りにされて。
その切り口は凍っている。
…………
ベルヴェールは満足気だ。
「さて」
パチパチと後ろから拍手が聞こえてくる。
「ふふ、良かったですね。これなら素材を無駄にせず……いえ、どのみち吸収されるんでしたね」
アンジェリカが嘆くように呟く。
……
そしてベルヴェール達はウロボロスを魔法陣の中に重ねながら最後の確認をして行く。
ゼロツーは更に異世界の貴金属や魔法陣の文章の変更または追加ていく。
アンジェリカも指示を受け行動している。
ベルヴェールは黒刀を元に戻し魔術の詠唱文を確認していると……
ゼロツーが忙しい手を止め。
破ンっと
手を叩き一言。
「いよいよ。だが……くれぐれも驚かないでくれ」
と話し始める。
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