第4話 ヴァルガンテスの真実
――昔々、ヴァルガンテスという男がいました
――嘘つきで無法者、やりたい放題の荒くれ者だったそうな
――村の人々は困り果て、ついにはヴァルガンテスを捕まえて牢屋に入れました
――けれど、ヴァルガンテスは力持ちですぐに牢屋を抜け出してしまいます
――村の人々はもう一度ヴァルガンテスを捕まえて、今度はより強固な牢獄に入れました
――厳重に警備をして、二度と抜け出せないようにしました
――この村はその頃から〝ヴァルガンテス〟と呼ばれるようになりました
【ヴァルガンテス牢獄正門前】
スチュアートがテスに近寄り囁く。
〝バンザムは無事ですか?〟
〝はい〟
〝この鍵でバンザムの手錠を外してください〟
〝分かりました。しかしスチュアート長官、最後に質問させてください〟
〝なんですか?〟
〝バンザムは本当に無実なんですか?〟
〝私にもわかりません〟
スチュアートは小さく笑いながらテスに背を向けた。
「後のことは全て私が責任を取ります。テス、大役ですよ」
【ヴァルガンテス牢獄 地下十階】
バンザムの手錠を外すテス。テスはバンザムに問いかける。
「あなたは本当に無実なのですか?」
「あんたが無実だと思うなら無実だ」
「……。スチュアートさんから預かりました。転移石です」
「感謝する」
バンザムは転移石を掲げると、姿を消した。
テスは地上に戻るがスチュアート長官の姿も確認できなかった。
――ヴァルガンテスには不思議な噂がありました
――ヴァルガンテスの嘘は女の子を泣かせないため
――ヴァルガンテスの暴力は仲間を守るため
――ヴァルガンテスの盗みは貧しい人を助けるため
――ヴァルガンテスという男は、本当は誠実な男だったのかもしれません
【後日】
【ヴァルガンテス牢獄】
テスたちヴァルガンテス牢獄監視官は新たな罪人の元神官エスを収監することになった。
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最後まで読んでくださってありがとうございました!
m(_ _)m
ヴァルガンテスの牢獄 とろり。 @towanosakura
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