BOND SHORT 華麗なる一族の勃興

1800年前、勇者によって魔王は討伐された。魔族が大地を支配する時代は終焉を迎え、徐々に人類国家が勢力を盛り返していく。人々はより効率的に魔物を狩るために”銃火器”を発明した。魔族の先兵として大陸中を駆けた巨人族は、銃を構えた戦列歩兵の前に屈し、ドラゴンは翼を奪われ、地に伏した。どれだけ”level”を上げようとも、大砲の前では”万人が平等”であった。十字架を掲げ、銃と大砲を構えながら前進する人類は、そこからわずか三百年たらずで、大陸中の魔王領を奪還する。その過程で100万人いた魔族の殆どは狩りつくされ、魔物たちの多くも”絶滅”した。
　しかし人類に平和など訪れはしなかった。急激に増え続ける人口と、共通の敵を失った人類は、領土や資源をめぐって互いに争い始める。そんな時代の中で、とある日本人が…続きを読む