ひとさじの群青-2
この小説は二〇一八年に書かれたものです。当時の私は高校二年生でした。
貴女は私より四歳ほど年上ですし、出身地だって私と違うのでこの作者とは別人でしょう。確証はありませんが、この小説を書いたのは私の中学時代のクラスメイトです。
この小説は高校の卒業式を題材にしているのですが、おそらく、彼女は中学の卒業式を元に書いていると思います。その中で卒業アルバムの寄せ書きのシーンが出てきます。
「Life is a climb. But the view is perfect」
これは私が中学時代すきだった歌手の言葉です。当時私は洋楽をはじめとしたアメリカ文化に傾倒していました。そしてこれを、これをはじめとした英語を、中学の卒業式にアルバムの寄せ書き欄に書いた記憶があります。署名は、Ohtsuki.と最後に書いて。大半が同じ部活だった男子でしたが、数名、三人ほど女子にも書いたような気がします。それが、春雷だったのだと思います。なぜ、もう十年近く前のことを覚えているかというと、彼女は一度だけ、私のことがすきだという噂がたったことがあったからです。事実だったのかは分かりません。
私は彼女の顔も名前も覚えていません。友達でもなんでもないし、すきだったわけでもありません。ただ家が近所だった記憶がありますが、彼女の実家がどこかの検討もつきません。でも、この小説を今読むと、彼女が羨ましく思いました。ここにいるサクライはきっと私が成り行きで貴女に向ける恋とは違う感情だから。私もそういうものが欲しいと切に願います。だから、貴女のことを忘れます。だから貴方も私のことを忘れてください。
寒さが徐々に厳しくなりますが、くれぐれもご自愛ください。
敬具
二〇二四年十二月十三日
追伸
貴女が私の手を緑の手を呼んでくれたこと、すごく嬉しかったです。
オレンジのはんぶん 入相アンジュ @harukujiracco
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