9. 送別
河原に出て、ユエは薪を積み、火を起こした。
クォンと二人並んで煙を見送り、ユエは弔いの言葉を唇に乗せた。
「
ホァの山笠は後日、父親の所へ届けるつもりだ。あの猿は死ぬまで演じきるだろう。
ホァの魂も、父親の魂も、
燃え尽きた炭と灰を川へ流すと、ユエは夫を振り返った。
「帰ろう、クォン。お腹すいたよ」
「お疲れ様です。帰ったら
「ほんと? 楽しみ」
河原から上がって、クォンがモンチャンの端綱とユエの手を取る。
耳長馬が一声鳴いて、荷車の車輪が回りだした。
〈化け猫おくる 完〉
化け猫おくる 帆多 丁 @T_Jota
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