第36話 言葉の力を信じて
「言葉には力がある。」
そう実感することが増えてきた。両親との会話、友人からの励まし、自分自身が心の中でつぶやく言葉――それらが、時に私を支え、また前へ進ませてくれる。
言葉は、時にとても繊細だ。特に、自分が落ち込んでいるときや不安を抱えているときには、周りからのちょっとした一言が大きな影響を与える。優しい言葉は心を癒し、逆に厳しい言葉は心を締めつけることもある。
私が「言葉の力」を最初に意識したのは、友人に「大丈夫だよ」と言われたときだった。何気ない一言だったけれど、そのときの私にとっては、心の中に灯りがともるような感覚だった。その言葉がなければ、私はもっと孤独を感じていたかもしれない。
両親との間でも、言葉の力を感じることがある。母が「いつも助けてくれてありがとう」と言ったとき、私は自分の存在が家族にとって意味のあるものだと感じられた。父が「お前はそのままでいい」と言ってくれたとき、私は少し肩の力が抜けた。
一方で、時に自分が投げかけた言葉が相手を傷つけることもある。思いがけず厳しい口調になってしまったり、無意識に冷たい態度をとってしまったり。そんなときは後悔の念が押し寄せる。言葉は便利なものだけれど、使い方を間違えると相手だけでなく自分自身も苦しめるものだ。
だからこそ、最近は「優しい言葉を選ぶこと」を意識している。完璧にはできなくても、できるだけ相手を励まし、自分をいたわる言葉を使うようにしている。
たとえば、自分に対しては「今日もよく頑張ったね」と言ってみる。うまくいかない日があったとしても、「明日はきっと違う」と自分に優しい言葉をかける。それだけで、少し気持ちが軽くなる。
また、言葉を書くことの力も感じている。このエッセイを書く時間は、私にとって自分と向き合うための大切な時間だ。思いを言葉にすることで、頭の中が整理され、心の中にあったモヤモヤが少しずつ晴れていく。
言葉は、目に見えないけれど、大きな力を持つ。それは、自分を守り、他人を支え、未来への希望をつなぐ道具だと思う。だからこそ、これからも言葉を大切にしながら生きていきたい。
今日もまた、自分や誰かに優しい言葉をかけてみようと思う。それが、日々の中で私を支えてくれる力になると信じているから。言葉には未来をつくる力がある。その力を信じながら、一歩ずつ進んでいきたい。
ひとりっ子で、障害者で、両親が持病持ちの私が、考える悩み 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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