第35話 孤独とともに歩く

「孤独は嫌だな。」

ふとした瞬間、そんな言葉が心に浮かぶことがある。両親の病気や将来への不安に押しつぶされそうになる日々の中で、孤独を感じる時間は少なくない。誰かと話していても、一人で部屋にいても、心の中にぽっかりと穴が空いたような感覚に襲われる。


孤独を感じるとき、それは自分が周りと違う立場にいることを強く意識する瞬間でもある。障害を抱え、両親を支え、将来に不安を抱える私は、友人たちの何気ない「これから何をしたい?」という会話の中で、自分が取り残されているように感じることがある。


でも、孤独は必ずしも悪いものではない、と少しずつ思えるようになってきた。孤独な時間は、自分を見つめ直すための大切な時間でもあるのだと気づいたのだ。


以前は、孤独を埋めようと無理に人と会ったり、何かをしようと焦ったりしていた。でも、そんなときの私は、どこか心が空回りしていたように思う。「孤独をなくさなければ」という思いが、むしろ自分を追い詰めていたのだ。


最近では、孤独とともに過ごす時間を少しだけ受け入れられるようになった。一人で過ごす時間は、決して寂しさだけではなく、自分自身と向き合うための貴重なひとときだと気づいたからだ。


孤独なとき、私は自分に問いかける。「今、何を感じているのか?」「何が不安で、何が嬉しいのか?」その問いかけに答えることで、私は自分の本当の気持ちに気づき、少しずつそれを整理することができるようになった。


また、孤独な時間を埋めるのではなく、その中で「小さな楽しみ」を見つけることも心がけている。お気に入りの本を読む、音楽を聴く、日記を書く――それらは一見些細なことだけれど、私にとっては孤独を穏やかに過ごすための大切なツールだ。


孤独を完全に消すことはできない。それでも、孤独を「敵」とみなさず、それとともに歩く方法を見つけることで、私は少しずつ心を軽くすることができている。


孤独とともに歩くことは、自分自身を深く知る旅でもある。誰もが孤独を抱える日がある。だからこそ、その時間をどう過ごすかが大切なのだと思う。


今日もまた、孤独な時間が訪れるかもしれない。でも、その時間を恐れるのではなく、その中で自分の心と向き合うひとときに変えていきたい。孤独は、私を成長させるもう一人の「友」だと思えるようになったから。


孤独とともに歩く道。その先に、きっと新しい自分が待っていると信じている。

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