第6話

――エピローグ――


「すまないなサテラ、まさかこんな決着になってしまうとは」

「いえいえそんな…。それよりも、本当に私でいいのですか、ノリッジ様…?」

「すでに貴族会からの了承はとっているからな。クライスの後に座る伯爵が正式に決まるまで、君がその座に座っているといい」


形式的にクライスの後を継ぐ形となったサテラ。

その表情は今だ驚愕に満たされているものの、もうこれ以上驚くこともないと悟ったのか、彼女は目の前の現実をありのまま受け売れることにした様子。


「クライス様とルミアはどうなったのでしょう?」

「人間にはそれぞれ住むにふさわしい場所というものがある。悪い人間には悪い環境がお似合いだ」

「そ、それって…?」

「想像に任せるとも♪」


普段は非常に温厚で、周りからも慕われているノリッジ。

しかしそんな彼が時折見せるダークな雰囲気は、それこそ見る者の心を鎖で縛りあげてしまうような寒気を生じさせるものであった…。

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妹の事を偏愛されている伯爵様。だから私はいらないのですね? 大舟 @Daisen0926

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