星界のヴェルシグネルセ　— 空に唄えば竜は踊るか —

　目が覚めると、囚人として移送されていた。記憶の大半を失っていた十八歳のエスト・アステリアはその状況に困惑しつつも、同乗していた狼系爪牙族の女・クェスの機転で拘束を逃れ、脱走を果たす。
　乗り合わせていたブラウン・ダークエルフのフューラント、ドワーフのエンブリーと共に小屋で一晩を明かすが、夜襲を仕掛けてきた追手の手にかかり、エンブリーが死んでしまう。
　追手を殺害したエストはエンブリーを弔うと、ひとまず人里を探す。道中で行き倒れている神官を見つけた彼らは竜人族の女神官・ベルナを助け、彼女が向かっている村に同道することにしたが——。

　なぜエストには記憶がないのか。世界に迫っている邪悪の凶気とはなんなのか。竜星が導く星界の果て、彼らは英雄譚として語られる冒険を世に刻むことになる。

【表紙】…続きを読む