銭湯と言えば富士山、富士山と言えば銭湯。
もはや日本人の心の中の風景と言っても過言ではない、ノスタルジックな組み合わせですね。
しかし、それも本当に「心の中」だけの存在となりつつある昨今。
この作品でも、そんな時代のひとつの節目が描かれます。
そこに移ろいゆく時代の流れに無常観を感じながらも、それでも精一杯の今を生きる懸命さが感じられ、なんとも言えない力強さをもらえる気になれます。
そして、新たな時代の産物をもってして思い出に残るものを生み出そうという試みも、時代の移ろいというものを強く感じ入ることができて、なかなかに心を打つものがありますね。
懐かしさすらある、古き良き時代の断片を感じながらお読みください。
🏠あの煙突と富士山を、あなたも見上げてみませんか?
『あの煙突と富士山をもう一度』は、大田康湖さんが描く、静かで優しい短編の現代ドラマ。
タイトルだけで、すでにノスタルジーが心をノックしてくる感じがあるよね✨
物語の舞台は、坂の上にある小さな銭湯。昔ながらの煙突の向こうに、富士山が見える――そんな、ちょっと映画みたいな景色の中で、登場人物たちが「終わり」と「思い出」と向き合っていくんだ。
銭湯の中で交わされる会話はどれも自然で、読む人それぞれが「懐かしさ」や「寂しさ」を感じるんじゃないかな。
でもこの作品のすごいところは、ただ過去にすがるんじゃなくて、「今のこの瞬間をどう記憶するか」に重きを置いてるところ。
映像で町を記録するドローン、商店街のシャッター、ゆず湯の香り……
どれもがさりげない描写なんだけど、読む側の想像力を引き出して、情景がしっかり浮かぶのが魅力なんだ😊
📌トオルの講評(ネタバレなし)
構成はシンプルなのに、感情の波が自然と生まれていて、とにかく“余韻がある”。
まるでお風呂上がりのポカポカ感が、読後にもずっと残ってる感じ✨
大きな事件や劇的な展開はないけれど、その代わりに「静かに泣ける」「静かに共感できる」読書体験が待ってるよ。
🎯こんな人におすすめ!
- 昔ながらの日本の風景が好きな人
- 静かな人間ドラマを味わいたい人
- 年末年始に少しだけ、しんみりしたい人
- 最近なんだか忙しすぎて「止まる時間」を忘れてた人
特に、大切な場所がなくなった経験がある人には、めちゃくちゃ刺さると思う。
たぶん読んだあと、無性にどこか“懐かしい場所”に行きたくなるはず。
📣トオルの推薦メッセージ📣
短編だけど、まるで一枚の絵画を見たような余韻が残る一作。
読む人それぞれの「記憶」や「景色」と重なる瞬間が、きっとある。
ぜひ、静かな夜にじっくり読んでみてね☕
きっと、あなたの中にも「もう一度見たい風景」が浮かんでくるよ🌇
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――トオル