終わってしまっても、生き続けるものはきっとあるから。

時代の波の吞まれて思い出がたくさん詰まった「銭湯」がなくなる。

切なく哀しいけれど、そればかりではなく未来への希望が「ドローン」という「現代のテクノロジーで作られたもの」が登場することで表現されているように感じられた。

ドローンが撮ってくれた記録によって、心に刻まれるだけでは薄れて行ってしまうだろう「思い出」がいつまでも鮮明に残り続ける。

いつでも振り返られると思えば前に進んで行く力もわいてくる。

時代が進んだからこそなくなってしまうのだけれど、代わりに新しく生まれるものもあるはずであり、良いとか悪いとかではなく「そういうもの」なのだから受け入れて行くしかない。

人間はそうやって生きて行くものだと思う。

あと、短編ながら登場人物たちの人情も感じられ、私もこんな風に文字の中に情愛や血肉を感じさせる登場人物を描けるようになりたいと思いました。

素敵な物語をありがとうございました。