少女のために、少年は世界の意志を捻じ曲げる

完成された世界観をもとに他とは少し毛色の違う要素を持った一途な物語です。

事故による異世界転生を果たした主人公とヒロインですが、絶望的にどちらも転生の才能がなかった、という最悪なスタートを切ります。

少女は短命の運命。心優しく、自己犠牲を厭わない彼女の献身はどこまでも純粋ゆえに高潔です。
だからこそ主人公は彼女のために強くなるしかない。血反吐を吐いても、壁にぶち当たっても、失敗を数えきれないほど積み重ねても。
たとえ、自らの手を自分の血で穢すことになっても。

神でさえ覆せないとした「少女の生きる運命」をただ勝ち取るために足掻く主人公の物語の行く末を、一人でも多くの方に見届けてもらえたらと思います。

その他のおすすめレビュー

言ノ葉紡さんの他のおすすめレビュー59