第31話:在るべき姿
僕はどうやら間違えていてみたいです。
トゥエンティワン、50歳です。
"炉"に入っていた雷の精霊の力が消えかかっています。
それと同時期に神の木が枯れたという報告が上がて来た。
僕は大きな勘違いをしていたようだ。
彼らの言う生命力とは文字通り命の力だったのだ。
彼らは命を消費して力を貸してくれていたんだ。
なのに僕らはただただ消費するばかりで彼らに何も返せていなかったんだ。
神の木は人類の血で育つ木。
それが枯れたたということは、消費が供給を上回っていたということだ。
無理を、させ過ぎてしまった。
雷の精霊に本当に申し訳ない。
だから直接謝りに行くことにした。
「ごめん!本当にごめん!君のことを苦しめたかったわけじゃないんだ!」
(わかってるよ!木はまた血を与えれば蘇るよ!だから大丈夫!)
「でも、君は……。」
(僕は消えるよ!でも僕たち精霊が消えるわけじゃない!だからまた僕を見つけてね!)
「それは……。」
(じゃあね!また遊んでね!人間!)
そう言って彼は塵のように消えてなくなった。
今、僕は彼を探しに旅に出ている。
"炉"はもう動かす気はないが、ただ、彼に会いたくなったのだ。
"炉"の停止後、光魔法で電気の代替品を作成した。
これなら生命力を消費する必要がない。
魔力を供給する職業としての需要も生み出せる。
きっとこれでよかったんだ。
僕のお墓は"炉"の近くにたててもらうことにした。
と、ここまで僕がしてきた失敗の記録を残してみた。
これを読んでいる君が同じ間違いをするとは言わないけれど、もしよかったら精霊達と仲良くしてやってほしい。
きっと、君にとっていい隣人になってくれるはずだ。
クリア歴250年、光魔法による照明技術が躍進。
転生賢者の愉快な世界開拓記 風 @fuu349ari
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。転生賢者の愉快な世界開拓記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます