~21〜禁断之回復開花薬

メールでレイナさんに連絡しないとだな……。

「……確かフレンドの欄に、あったあった」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ハラミ ちょっと聞いて欲しいんですけど

    なんかHP800回復のポーションが出来ました


レイナ くぁwせdrftgyふじこlp


ハラミ 落ち着いてください……


レイナ ごめん取り乱した。で、でもそれだけすごいんだよ?!

    どんなことしたらそんな物が生まれるんだか


ハラミ マナポーションがぶ飲みして

    バフ積みまくっただけですけど?

    なんか変なことしましたか??


レイナ それは脳筋(?)プレイだな、納得……

    ハラミならやりかねない、というかやってるんだけどね


ハラミ 酷くないですか?w

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


酷いなぁ……そんな脳筋プレイなんてしてないのに。

『ハラミならやりかねない』って失礼過ぎでは?? そんなヤバいやつではないのに……。


まぁレイナだから仕方ないと言ったら仕方ないのかもしれない。


『レイナは常識というものをゴミ箱に捨ててるにゃ』って猫又に言われてたくらいだし。

なんとなく抜けてる部分があるっていうのは納得できる。


……常識が通用しない人っているんだなと改めて痛感したよ。



「……まぁ、おばちゃんのところに持って行くか」

一回持っていって見てもらうか、もしかしたらなんかあるかもだし。


そしてその予感は的中していたのだった。

だが、ハラミはまだ知る余地はない。




======


久しぶりに街に戻ってきたハラミ。

クランホームに篭ってやってたから懐かしく感じる。


そういえばギルドの帰りに猫又に誘われたんだよね。

だから道の真ん中にスポーンしたのか。


「じゃあ、まずは噴水広場に行くか」

おばちゃんに会ってこの特濃ポーションを見てもらおう。


料理鑑定だと細かい効能とかは分からないからね。

なんかSSレアだから見れるレベルを超えてるから料理鑑定でも見れなかったみたい。


インベントリに入れたらフレーバーテキストは見れるんだよね。

だけどこのバフが何かとかは分からない。


でも、薬師のおばちゃんなら見れるのではという考えなので直接会って見てもらおうということだ。



噴水広場に着くとやはりプレイヤーが多くいて、今でも新規プレイヤーは増えているのだと実感する。

一応、この街は初心者が多い街で、次の街に行けたら初心者を卒業みたいな感じになっているらしい。


5日程度で行ける人が多いみたいで初期装備でも十分戦えるのだとか。

だけどここにずっといる僕はある意味異端者なのだろう。


だって初期の街にいても攻略は進まないからね。

生産職だってポーション作ってレベル上げたらその辺の敵は軽々倒せる。


僕くらいになると一撃くらいで倒せるレベルには至っている。

レイナや猫又達はここから五つくらい先にいるはず。


「まだ発売して半年も経たないのにそこまで行けるのは凄いなぁ……本当にそういう面は尊敬するよ」


そんなことを考えながら人をかき分け、おばちゃんの所に突き進む、

プレイヤーや、NPCがいっぱいいる道をかき分けて行くとやっとおばちゃんの店の前に辿り着いた。


「あら、こんにちは。なにか納品でもするのかね」

「違うんですけど……これを見てもらいたくて、」


そう言いインベントリから特濃ポーションを取り出す。


通常のポーションよりもグロい色をしているのが特徴で、よく見るとうねっているように見えるが気にしない。

気にしたらこの世の深淵を覗きそうで怖いんだよね。


そしてコトッとおばちゃんの目の前に置くとおばちゃんは物珍しそうに特濃ポーションを眺め、眼鏡をかけてよく観察しているようだ。


「ちょっと質問いいかい?」


「はい、なんですか??」

「このポーションは魔力ってどれぐらい込めたのかい?」


えーっと? いくつだ?

MP80を、1、2、3、4、5……。

「MPは400、くらいですね」


「……はぁ、あんた馬鹿だねぇ。このポーション魔力の濃度が濃すぎて使える人限られるよ?」


そうなの?? そんなに濃すぎると使える人って限られるんだ。

ネットにもレイナのゆっくり解説にもそんなこと言われてなかったから新情報??


「これね、やり過ぎると耐えれない人は毒になるね……」

「マジか……」


目を凝らして特濃ポーションを見ては紙に何かを書き写しているおばちゃん。

「でもまぁ、回復したとしたら体力が一時的に高くなるね、はいこれスキルでの診断結果」


そうして手渡された紙を見るとこのポーションの細かな詳細が見れるようになった。


――――――――――――――――――――――――

禁断之回復開花薬サクリファス  SSレア


魔力を濃縮し過ぎたポーション。

回復量は大きいが、それを飲める人は限られる。

薬は時に毒になる。使う人を間違えば死に至る。

だが、その代償に伴った効果もある。

回復量の高さや、回復で余った分は追加HPとして一時的に増える。

高濃度な魔力のおかげで魔力も少し回復する。

そして気持ちが昂り、戦闘が終わるまで回復し続ける。

しかし戦闘が終わると同時に使用者は死亡する。


効果:HP800回復、余りの回復分の最大HP増加(戦闘終了時まで)

バフ効果:魔力中回復(MP100回復)、体力継続回復(毎秒HP20回復)、

魔力継続回復(毎秒MP20回復)、気分高揚、恐怖打消し

※レベル50以上のみ使用可能

※レベル50以下が使った場合、高濃度の魔力で焼け死ぬ

※使用した戦闘での経験値、ドロップアイテムは全て自動回収

             製作者:ハラミ

――――――――――――――――――――――――


なんか効果量がおかしなやつになっているな……。

馬鹿みたいな効果が使える代わりに代償が酷い。


「こんな馬鹿な薬作れるのは少ないよ。まずまず短時間にここまで魔力を注いで、全体に馴染ませるのは難しいからね。作ろうとしても普通だと失敗して終わりだろうさね」

「でも、これ代償重くないですか? 死で償うなんて……」


「そうさね。だってこれ、ある意味毒だからね。毒と薬は紙一重なんだよ。望んだものが大きければその分の代償も大きくなるのは当然の話だ」


なるほど。運営のバランス調整ってことか、納得。(メタ発言)


まぁこれは使う時まで大事に保管しておこう。

最悪封印してもいいくらいかもしれない。


「そうそう、あんたがここに来る時にをやらせよう思ってたんだった、」

とは……?」


「ちょっと難しいお使いなんだけど、いいかい?」


そうして目の前にウインドウが出てきた。

――――――――――――――――――――――――

ユニーククエスト・『神の名を讃えよ、歌えよ、祭り上げろよ』


内容:???????????????

報酬:???????????????

クエストクリア条件:????????

承認 or 拒否

――――――――――――――――――――――――


内容も報酬もわからない謎のクエスト。

通常の表記とは違う内容や、ユニーククエストという文字がこのクエストの謎を深めた。


「こういうのは、これはやるしかないでしょ!!」




そうしてハラミは目の前の承認をポチりと押した。

ここから波乱の幕開けだとは誰一人として知りもしなかった。


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元有名料理人のVRグルメは見た目×ですが、レア度は◎でした。〜もう一度人気になればまた仕事が来るかもしれないのを希望に頑張ります!〜 Aさん @mikotonori812

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