第22話 エリア69

マイフレンズ B班


「そ、それはなんだ!?」


アミーがパーカーを被った男に語りかける。


「これ?あぁ、そういうことね」


パーカーの男は妙なものを持っていた。

片手にはビー玉のようなもの。


もう片方の手にはボールのような頭のようなものを抱えていた。


「これはね、ユミーって奴の頭と魂」


「た、魂!?!?」


「これが体、本体と一緒でなければなければユミーもユミーに宿る魂もなにもで

きないはず…」


その時、パーカーの男が持っていた片方のユミーの頭が灰になったかのように崩

れる。


「こ、これは、どうことだ!?」


刹那、もう片方に持っていた、ビー玉のような物から、緑色の光が出る。


「ぐ!ぐわぁぁぁ!!!」


ビー玉のようなものを持っていた、パーカーの男の片腕が一瞬で溶ける。


「くっ!早くせねば!!」


「ま、待て!!」


衝撃波が床を伝い、体制を立て直していたときには、もうパーカーの男の姿は見

えなかった。


「クソッ!!!」



???


パーカーの男は何処かの研究施設に帰ってきた。


男は、千切れた腕を片手で抑えながら「パーシスト」と言う。


すると何処からか声がした。


「会員認証。お帰りなさいませ、タウンジャンキー様」


「ああ、物を持って帰った。開けろ」


シャッターが開くように重苦しくも開いた扉の中にタウンと呼ばれるパーカーの

男は入る。


扉の中に入り、長い廊下を進む。


廊下の壁には、5メートル感覚でドアが張られていた。


タウンは「3150」と書かれた札がぶら下げてある扉の中に入る。


扉の中には薄暗い下りの階段があった。


降りていくと、時期に緑色の光が壁に写っているのが見えた。


そこには、雑な家具と不気味な照明、そして、丸い少し高い台座が合った。


タウンはその台座に乗ると、緑色の光に包まれ、液体の入ったカプセルや、コード

が並べられている、研究施設の様なところに来た。


タウンを囲む、緑色に光ったカプセルの中には、少しだけ動く、生物のような物

が居た。


タウンは転送装置と思われる台座から降りると、奥の方から白衣を来て、片方の

目が眼帯のような機械仕掛けのゴーグルをした男が出てくる。


「いやぁ、お帰り、タウン例のものは持ってきたか?」


「ああ、持ってきたから早くこの腕を治してくれ、ヒーリッツ」


ヒーリッツと呼ばれた男は手をタウンに出し「まずは物の方が先だ」といった。


エリア69。この研究施設はそう呼ばれ、数々の生物を産み出しては、生物兵器と

しての育成、改造をしている研究施設。


彼、タウン・ジャンキーはここの研究組織によって産み出された生物兵器だ。


「ヒーリッツ、そろそろその気持ち悪い視線でよく分からないビー玉をジロジロと

見るのはやめにしたほうがいいぞ」


「わかってないな、自分の目でみてこそわかることもあるんだよ」


ヒーリッツはそう言うと、明らかに自分の目ではない、機械仕掛けの眼帯で、ビ

ー玉の様なものをジロジロと見る。


「というか、それはなんだ?俺の腕をこんなにしてくれてよ」


「説明しただろ?これは、ユミーの魂なんだ。正確に言えば、脳でもあるがな」


「脳?」


「ああ、ユミーという生物は、2つの物質によって分けられている。一つ目はユミ

ーの核とも言える、核液。核液は体の核、神経、骨、筋肉の要素を一つの液に持

っている。二つ目はこの、司令玉。これはある信号を使って、核液に指令を出す。

信号が出ることによって、体の形や機能は常に保たれている機関って訳だ」


「なるほど。にしても詳しいな」


「当然!このユミーの開発者は俺だからな」


「は?」


「だから、これの開発者は…」


「そ、そこじゃねぇ!これは生物兵器なのか!?」


「そうだぞ。これはちょっと前に在るところから以来を受けて作ったものだ」


「そ、そこってどこだ!?」


「お前は知らなくてもいいことだ。それよりラボについたぞ早く腕を生やしてし

まえ」


「お、おう」


タウンは薄い光の漂う部屋の、壁沿いにあった穴の中に千切れた方の手を突っ込

む。


それと同時に横にあるレバーをタウンが引く。

穴からタウンが手を出すと、千切れた手は再生していた。


「どうだ?ヒーリッツ式、身体再生装置。あの大博士ヘファイストの身体再生光線を元に作ってみたんだが」


「それは俺がはじめて使ったときにも同じことを聞いてきたよな?」


「それよりも見てくれ!司令玉をカプセルの中に閉じ込めた、このカプセルは頑

丈でな。今ある最新の兵器すら傷一つつかんよ!」


「じゃあ、どうやって開けるんだよ。」


「蓋を右、左、左、右、右に動かすだけだ」


「へー」


「しかし、これであの方にも役に立てる!今度こそ!無事に完遂してやるぞ!」


相違ってヒーリッツはカプセルにコードのようなものを差しこむと、壁沿いのキ

ーボードとモニターのようなものをいじり出す。


何もしゃべらずにキーボードの音をカチカチ鳴らす。


タウンはしばらくモニターを少し見て、後ろの方に振り返った。


すると、あったはずの司令玉が入ってるカプセルが無くなっていた。

「ん?なんでないんだ?」


バタン。


何かが倒れる音がした。


タウンが振り替えると、ヒーリッツが倒れていた。


「おい?ヒーリッツ?」


タウンはヒーリッツに向かって手をふってみたり、したが反応がなかった。


「そいつはもう、死んでるよ」


後ろから声がした。


背筋が凍る。


何故か体が寒くなる。


恐る恐る、振り替えるとさっきまではいなかった、黒い生物がいた。


人間に近く、遠い見た目は普通の生物から程遠いオーラを発している。


「ど、どういうことだ?」


喉の奥が急に痛くなる。


吐き出してしまいたいほどの緊張感。


「実はさ、僕の近くに居る生物はみんな死んじゃうんだよ。でも、君は普通じゃ

ないんだね」


頭が痛い。


考える力がどんどん失われていくような感覚。


「お、おまえはだれだ?」


タウンは汗を流しながら聞く。


すると黒い生物はこう答えた。


「僕は悪魔だよ」と


「悪魔?」


「うん!でも、悪魔といっても、悪魔の神とか、悪魔の帝王とか、悪魔、ルシフ

ァーよりも上の存在だよ。君、なかなか面白いね!僕と勝負しようよ」


「し、勝負?」


「うん!ルールは簡単!今から3分後に君が生きてたら君の勝ち!それじゃあ…」


「お、おいまてまてまて!」


「はじめ!!」

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