第21話 キルミル襲撃テロ

ユミーとユリは首都、キルミルに来た。


そこには、全方向からホログラムの光が当たり、車や人が縦横無尽に移動してい

た。


「とりあえずなんか買いに行こうぜ!俺は武器が欲しい!」


「そんな物騒なもの、売ってないんじゃない?こんな町にさぁ」


「そうか、残念」


少し落ち込んだ用に言う

「それじゃあ俺はギターでも見に行こうかな?」


「ぎ、ギタァ?」


ユミーの頭の上には「?」が立った用にポカンとする。


「ギターってのは、糸を使って音を出す道具のことよ、ギター使えば音楽を奏で

られるんだ、俺の趣味の一つ」

「おにーさん!ギター興味あるの?」


後ろから余裕のある声がした。


ユミーとユリの間に割入ったそいつは紫色のスーツを着こなし、ネズミのような

仮面をつけていた。


「うわ!あ、あなたは!?」


ユリは少しそいつに驚いてるようすだった。


回りからの視線が一気に集まる。


「あ、あの人は!!」

「え!あの人って」


どうやら回りの人もユリ同様何かに気づいたようだった。

「そ!その仮面は、あなたはまさか…」


「あぁ、そうだよ。サアド・ジャンキーギターリストさ」


周りの人が口を手で包み、目をきっぱりと開く。


「や、やっぱり!あの人って超有名ギターリストのサアド・ジャンキーじゃない

か!?」


「サアド・ジャンキー!ネットを中心に活動して彼のフォロワーは1億人以上!今

話題のギターリストだ!!」


(なんか、すごいやらせ感)



「で?うちのユリに何かようか?」


「おっと失礼!ギターって言うことばを聞くと、つい勝手にからだが動いてしま

ってね!それで!君!ユリくんって言うんだね??ちょっとついてきて欲しいんだけど!」


「な、なんでですか?」


「それは、お楽しみだ!」


ユミーはサアドを背にユリと少し話し合う。


「なんか、あいつ怪しくないか?少しフワフワしてるというか…」


「そ、そうかなぁ?」


「あんまり深入りしない方が良いと思うけど」


「で、でもぉ」


「とにかく!止めた方が良い気がする!」


「な、なんか珍しいな、こんなに念押しするユミーは」


前に振り返り、サアドの方向を向く。


「そ、それじゃあ…」


「話は終わったかい?それじゃあ、レッツゴーだ!!」


サアドはユリの手を掴むと、暴れだした闘牛のようにどこかへ立ち去って行って

しまった。


「あ!ユリ!」


「そんなにユリのことが気になるかい?」


人がざわめく中、後ろから完全にユミーに向かって喋る男の声が聞こえた。


振り替えると、男は紫のパーカーのフードを被り、フードの中には銀色の髪がは

み出ていた。


「だ、誰?」


「いや、ただの通りすがりの人物Aだよ」


「敵キャラみたいなしゃべり方だな」


ユミーは腕を前に出し戦闘体勢を取る。


「はぁ」


男はため息をつくと、片方の目が電撃を走らせて赤く染まる。


「勘の良い奴だな。まぁ、俺には敵わないが。」


男がそう言うと、ユミーの頭が体と分離し、緑色の液体を辺りにこぼす。


「キャーー!!!!」


回りにいた人達もこれには気付き、地面に倒れた首なしの死体から逃げ去るひと

や距離を取る人、何処かに電話する人などさっきまでの町の様子とは真逆の風景

になった。


「お、おい!まさか、あの隣にいる男がやったのか!?」


「え!?さ、殺人!?に、逃げなきゃ!」


咄嗟に男の正体に気づいた人には首などなかった。


今度は緑でもなく真っ赤な血液が流れ出す。


「さぁてと、お仕事お仕事!」


男は又もや赤い目を光らせると、光った目以上の黒く染まった赤い血が、当たり

を一瞬で埋め尽くす。


地面は首、血液、首なし死体で溢れ帰っていた。


そこは悲鳴や断末魔が飛び交い、言葉で表すとすれば、「地獄絵図」や「大虐

殺」などがあげられる。


そんな風景に一瞬でなった。



「ふう、やっぱり俺はこういう社会の人口を減らすような仕事が一番向いてるや」


男はそう呟くと、片手に持っていた赤く染まった、小さい包丁のような刃物を持

って血しぶきを散らせる。




その頃ユリは…

「ここはどこですか?」


ビルとビルの壁に声が当たり、ユリの声が響く。


暗く狭い、ビル同士の場所の間にユリとサアドはいた。


「僕が今までにどんな人生を歩んだか、知ってる?」


終わりが見えないビルの間を歩いていた時、サアドはいきなり言い出した。


「えーと、ギターをずっと練習してた、とかですかね?」

暗い声でサアドは「そんな甘いものじゃない」と返す。


「僕の人生は生まれたときからどん底にいたんだ。」


「どういうことですか?」


「僕はある組織の研究によって生まれた生物なんだけどね、二人開発されたん

だ。その一人が僕。僕達は生物兵器として育てられたんだ。」

「え、えと?なんの話をしているんですか?」

「もう一人の方はとても優秀で、数々の功績を得た。その頃僕は生き物として

も、扱われずにいた。片方だけ優遇されて悔しかったんだ。でもある日、僕が研

究で怪我をして泣いていた時に僕の監視の人がおまじないを唱えてくれたんだパッパルラルラってさ。そのあとに、その人は言ってくれたんだ。これからでも遅くない。生き物なら成長はできる。努力すれば必ずしも成功するってさ。それ

で、俺は努力して努力して努力して努力して努力して努力して、あいつと同じ土俵

に立てたんだ。ここで終わらせない。絶対に。だから、俺があいつを越すために

ユリ、君には俺の生け贄になって貰うよ」

前を向いていた、サアドはユリの方向に振り替えると、緑色の炎で形成されたギ


ターの様なものを持っていた。


「じゃ、じゃあな!」

途端、ユリを緑の炎の弾が放たれ、ビルとビルの間で激しく爆発を起こす。


ビルは崩れ落ちる。


「はぁ、はぁ、はぁ」


ビルの下敷きにならなかったサアドは激しく息を切らしていた。


「こ、これで!認めてもらえるのか?」


「ま、まさかあなたがこんなことをするなんて」


頭から血を垂らすユリが瓦礫から出てくる。


「ま、まじか」


「どうやら、あの悲鳴はあなたのお仲間ですか?」

「そ、それは言うわけには行かないな!」


「強がっているようですが、サアドさんは戦うのは初めてみたいですね。にして

もこの威力。中々」


ユリは回りにある散らばった瓦礫を薄目で見る。


「仕方がない。とりあえずあなただけでも取り抑えないと」


「や、やってみろよ!!」

ユリは拳を前に出すと、目が青く輝く。


「あなたのスキルはギターの様なものから、爆発性のある火の弾を出すことです

か?」


「さ、さぁなどうだろう」


「まぁ、いいです。答えなくても。振動眼」

ユリは手を前にゆっくりと出すと、ユリの手から振動がサアドに響く。


「ぐっ!」


「振動眼。まぁ、その名前の通り、振動を伝えます。特に何も訓練を受けてない人

は気絶しますが、驚きました。まだ、立っていることに」


「ぼ、僕はここに来るまでに、ここのステージに立つまでにどれだけ訓練を伝え

たか、まだ、俺は終われない!」


ユリにギターを向けると、爆発音と共に火の弾がユリに向かって発砲された。


「ッ!!」


ユリは指を前に構える。


「黒弾!」

ユリの人差し指から黒い弾が発砲される。


ユリの弾と火の弾はぶつかり合い、相殺された。


「今のはシだった」


「どういうことですか?」


「俺のこの火の弾は、音符によって振り分けられる。ドは一番威力が弱いが、連

射力とスピードがある。逆にシは一番威力が高く、殺傷能力も高いが連射力とス

ピードが遅い。これが俺のスキルだ」


「なるほど、嘘ですね」


「な、なんでだよ?」


「だって、先程の爆発の威力はさほどありませんでした。さっき、ビルの間で撃たれた方が威力がありましたね。僕も咄嗟に黒弾を撃ちましたが、何メートルも距離があったにも関わらずに、爆発の爆風で瓦礫の外に飛ばされました。まぁ、

おかげで頭を打った程度で済んだので、よかったですが」


「嘘ついて、予想外の動きをしようと思ったのだが、ダメか」


ギターをサアドはギターをユリに向ける。

「まだ、ここからなんだ!!」


何発もの、火の弾を撃つ。


ユリは火の弾を避けながら、サアドの回りを回る。


「これで死ね!!」


サアドは大きい火の弾をユリに撃つ。


「ッ!!」

火が爆発し、爆発した場所を中心として爆風が襲う。


「うっ!!」


サアドも爆風を受け、足が乱れる。


霧が包み、先が見えない中、サアドはユリを探す。


「や、やったか?」


地面が割れる。


辺りの霧が一気に晴れる。


そこにはユリの姿があった。


「ど、ということだ?」


「今のは火の弾の真上に飛んで、火の弾を爆発させた。爆発した時の反動で真上

に飛んで今、地面に着地した」


「ば、バケモンが!」


サアドは又もや、ギターを構える。


「痛いですが、少し我慢してくださいね」


ユリはそう言うと、後ろに黒弾を放つ。

すると閃光の如く、サアドとの距離を縮める。


「はや…」


サアドがそう呟いた時には、ユリの足が頬についていた。


衝突。


ユリはサアドに後ろ蹴りを喰らわせる。



「ぐっ!!!」


サアドは血を吐き、倒れる。


「よし!終わったな!とりあえず拘束したらユミーの所へ行かなければ!今聞こ

えてる悲鳴はもしかしたらサアドさんの言っていたあの優秀な方かもしれない」


「ま、まて!」

ユリの背の方向からサアドの声がした。


「ま、まだだ!」


「まだって、あなたもう動けないでしょ?とっとと捕まってくださいよ!まだ人

を殺してないんだったら、特に重い罪に問われることはないんですから!」


「だ、だが僕は…」


倒れたサアドは手を開くと、目をカッと開くとのろりと起き上がる。


「ま、まだ!天は俺を見放さなかったようだな!!」


手のひらには数字が刻まれていた。


「な、何ですかそれ?」

「これは、俺の生まれた研究組織で、研究されていた物だ。名前はカウンター。

攻撃を受けると、力が強くなるんだ。数字が上がるごとに強くなっていく訳だ!!」


「ど、どういうことですか?」


「攻撃を食らえば食らうほど、俺は強くなるってことだ!そして今、俺のこの手の

ひらの数字は右上がりに上がっている。つまり、俺は最強になったんだ!!」


サアドはギターをユリに構えると、なにも考えずに弾を打ち出す。


一発。


一発だけ、ユリに向かって放つと音もなくユリに向かってまっすぐ放たれる。


「ッまずい!!」


ユリはすぐに横に体をずらすと、瓦礫の山を越えてビルに衝突する。


爆風を当たりに撒き散らし、ビルが崩れ落ちる音が響く。


「道路まで見えるようになったじゃないか」


遠くで通りすがりの人の悲鳴が聞こえる。


「ッ!!」


「どうした?早く行かないのか?アールグレイの仕事は人々の救済ではなかった

のか?」


「なんで、アールグレイのこと知ってるんですか!?」


「内通者は知ってるか?」


「内通者?そんな奴がいるんですか!?」


「知らないか。そうか。アールグレイは内通者が多いんだよ。色々な組織に情報

を売ってる奴が、わんさかいる」


「それは知ってるが、まさか、そこから情報が漏れているのか」


「もちろん!だから、俺は知ってるのだ。アールグレイの隠している事実や、揉み

消している過去をな」


「そんなに闇が深いのか!?」


「もちろん!生物の感情には表と裏がある。人の数だけ裏があるなら闇が一つや二つ合ったっておかしくない」



「ま、まさか、そこまでとは…」


「それじゃあ、お前には死んでもらおう」


両方の目が電撃を走らせて赤く染まる。


「うぐ!!」


ユリの体が強張る。


「今度こそ!死ねぇぇぇぇぇ!!!!」


「動け動け動け動け動け!!!!!」


ユリに向かって火の弾が何発も発射される。


ユリはやっとの思いで体を動かすが、サアドはユリの隙を見逃さなかった。


瞼よりも早く、いきなりそこに現れたかのように


「俺の方が強い」


その言葉を行った瞬間、ゼロ距離で火の弾。というか、死の爆弾を懐に撃ち込

む。


爆発が起きると辺りは白い光で包まれる。


今になってようやく、最初に打ち出された数初の弾が、むかいのビルに当たって

時限爆弾が爆発したかの如く、火をあげる。


ユリは腹には穴が空き、腕は千切れ、目は輝きを失っていた。


サアドは赤い目を光らせてユリに近づく。


ニヤリと笑うと、ギターをユリに向ける。


「あばよ!アールグレイ幹部のユリさんよ!」


ギターをユリの顔につけ、ゼロ距離で又もや火の弾を発車する。


白い光が辺りを照らす。


地面を見ると、赤い血と肉片が散らばってなどいなかった。


「は?」


目を丸くして見ると、ユリは傷ひとつつかなかった。


「いやー、間にやってよかったよ」


「まさか、俺たちをあんなにぶっ飛ばしたユリがここまで追い込まれるとはな」


「でもとりあえず、生きてるならオッケーです」


そこにはマイフレンズのトミー、リミー、レミーの三人が居た。


「だ、誰だ!?」


「誰って答える必要はないでしょ?」


「2対1。これなら勝てる」


「2?数え間違えているんじゃないのか!?」


「いや?そんなことないよ?」


刹那、サアドの片耳が取れる。


サアドの背後にはリミーの姿が合った。


「ッ!!いつの間に!!」


「次は耳じゃすまないぞ」


「てッ!ユリの死体は!?」


ユリはレミーの近くにいた。


「い、いつの間に!!」


「君がリミーに夢中になっているときにこっそり素早くね!」


「ッ!!」


サアドはギターを構える。


「ま、まだだ!!最大火力!!」


ギターからは、火の弾が発砲される。


「トミーシールド!!」


トミーの目の前に分厚い壁が現れる。


途端爆発が起きる。


爆風に揺られ、サアドの足は乱れる。


銃声と共に、痛みがサアドを襲う。


「ぐふっ!!」


トミーの創った壁を見ると、穴が開いていた。


「ご、ごれ゙ば?」


「これはってか?」


壁が崩れると、あらわになったのは銃口から煙が出ている拳銃を持ったトミーだ

った。


「俺の方からの衝撃には弱く、俺の方の反対からの衝撃にはクッソ強い一方通行

の壁を創った。俺の方向から弾丸を撃ったら、ほぼゼロの抵抗で銃に撃たれる。

これで殺した生物は何人いたことやら…」


「お゙、お前゙、人゙を゙殺゙じだごどがあ゙る゙の゙が?」


「あぁ、何人も悪人を殺したよ。世界を平和に保つにはそれしかない…」


「俺゙でずら゙一人゙も゙殺゙じでばい゙な゙い゙の゙に゙な゙」


「いや、でも、そこに瓦礫の山があるが、何人も下敷きになって死んでいるぞ。お

前は人殺しだぞ?」


「ば?人殺゙じ?」


「あそこに泣いている子供がいるだろう?」


リミーは火を上げて燃えるビルの近くで泣いている女の子を指差す。


「あれは、あそこに取り残された人たちの中に母親がいるからだ。あのビルはア

パートだからな」


サアドは口から血を吐きながらじっと見つめていた。


「と、とりあえず。こいつはもう動けなさそうだし、木で拘束しておくよ?とりあ

えず拘束はしておかないと」


「これで一件落着かぁ」


トミーはため息をつくと地面に腰をつく。


「まだだぞ。B班が戦っているかもしれない。こっちはレミーに任せてトミーはB

班の方にいこう。


「そうだね。レミー!ユリ治せる?」


「まぁ、とりあえず傷口は塞げそう。でも、腕はまだ生やせないから、ヘファイ

ストにみてもらわないとかも」


「そうか、じゃあ、この犯人とユリを任せるよ」


「おっけー!」


トミーとリミーはまた別の方にいるB班のコミー、ケミー、アミーの方に向かっ

た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る