最終話:お帰りティンクル。
困ったよね。
そしたらティンクルが出産間近になったらエバーランドに帰るって言い出した。
向こうにも産婦人科はあるみたいだね。
それにまあ出産時は人間でも実家に帰るってこともあるし・・・。
僕はあてにならないし・・・。
流産でもしたら大変だもんな・・・ちゃんと経過観察しないと・・・
生まれてくる子は人間と妖精のハーフでも、ひとつの命。
世の中には子供が欲しくてもできない人もいるんだから僕たちは恵まれてるん
だよ。
これはティンクルが僕と暮らすって決めてから起こりうる結果だったんだ。
ってことは人間の世界では、こうなると当然できちゃった婚ってことになるん
だけど・・・。
嫁さんが妖精なんて誰も信じないし、婚姻届なんかはもちろん受理されない。
ティンクルのお腹がパンパンになって歩くのも辛そうだったからエバーランドに
帰るのも心配だったけど、なにも飛行機や電車に乗るわけじゃないから大勝負だ
よってティンクルが言った。
どこから帰るのかなって思ってたら、リビングからそのまま帰るって。
でティンクルがエバーランドに帰る日。
ティンクルの周りに小さな光の粒子が現れて、それが増えていって一個の
光の塊になってティンクルを包み込んだ。
と思ったらティンクルは光とともに消えていった。
「あ、なるほど・・・そんなふうに帰るんだ・・・僕んちへ来てた時も
そうやって来てたんだな・・・」
ティンクルがエバーランドに帰ってから僕のスマホにティンクルから、
逐一連絡が入るようになった。
それから一ヶ月後・・・出産したってティンクルからめでたい知らせが・・・。
そして生まれた赤ちゃんの写真を送ってきた。
僕とティンクルの子供、不細工なはずないんだ・・・母親似だなって僕は
思った。
と同時に、もしかしたらティンクルは僕の元に帰ってこないんじゃないかって
思った。
ティンクルにだって両親はいるだろうし、兄弟姉妹、親戚だっているだろ?
両親にとっちゃ可愛い孫だし、手放したくないかもしれない。
今はシングルマザーって多いし・・・普通になって来てるし。
まあ、旦那が病気で不甲斐ないしな・・・って心配してたら・・・
「近日中に赤ちゃん連れて帰るから」
って連絡が入った・・・よかったとりあえずホッとした。
で、僕の肺の病気も投薬が終わって最終検査の結果、寛解って言われた。
寛解ってなに?って思った。
なんでも症状が消えたりした状態でこのまま治る可能性もあるし場合によっては
再発するかもしれないってことらしい。
なんせ前例の少ない病気だから・・・。
まあ、生きてるならそれでよし。
ティンクルのためにも赤ちゃんの為にも新しい仕事を見つけて旦那さんとお父さん
の役目を果たさないとね。
で、ティンクルが赤ちゃんを連れて帰ってきた。
僕が赤ちゃんを抱っこしてあやしてるとティンクルが言った。
「私も、抱っこして・・・もう何ヶ月もエッチしてないんだよ」
「私、それだけが楽しみで帰ってきたんだからね」
え〜エッチしたいがために帰って来たんかい?って突っ込んだ。
訪問看護をお願いしたらギャルみたいなナースが訪ねて来た、だけどそのナース
ただのナースじゃなかったんだ・・・なんとそのナースは妖精だった。
ティンクルは母親になっても相変わらずエッチが激しいから、せっかくよくなった
僕の病気が再発しそうだった。
おしまい。
訪問看護をお願いしたらギャルみたいなナースが訪ねて来た、だけどそのナースただのナースじゃなかったんだ、しかもエッチいから刺激が強すぎて病気が悪化しそう。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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