今日も月がきれいですね
櫻井
第1話 今日も月が綺麗ですね
おじいさんが言う「今日も月がきですね」とベランダで向き合いながらお茶を飲む老夫婦、満月の夜はこうして二人で満月を見ながらお茶をすするのが日課になった。
若いころはそんなことしている湯優もなくおじいちゃんは仕事に追われ自宅にけってくる暇もなく、おばあちゃんは子育てで大忙しで三人の子を育てた。
二人とも大変だったと思ったことがない、これが当たり前だとともって目の前の事をひたすらとこなしてきた、おじいさんは間違ってないことでも土下座をしろと言えば土下座なんて余裕でした、プライドなんてそこにはなかった。おばあちゃんも子供がいたずらをしたと言えば、学校に走って頭をさげたが、たいていはうちの子供は悪くなかったが謝ってすむものなら済ませてしまおうと頭を下げるが子供たちには
「なんで僕が悪くないのにお母さんが謝るの??」「絶対悪くないもん」
確かに子供たちが言っていることもわかる、苛めの仲裁に入り相手が子供の頭を叩き子供がやりかえしたというよくある現象だが、おあばあちゃんからしたら反論した方が負けだと思っていた、確かにうちの子は悪くない、悪くないがそこで正論をかざしてところで聞いてくれる人はごくわずかしか居ない、そのごくずかの為に説明するほどの労力を使う気は全くなかったので、子供のために学校に呼ばれたときは子供たちの大好きなたい焼きを買ってあげ「私はあなんたらの一番の味方だからね」と頭をなでた。子供たちはすくすくと育ち、一人は高校卒業して社会にで一人は大学をでて会社を立てた、一人はアイドルになると言っておじいさんの反対を押し切って有名アイドルになっている。おじいさんはその娘が出ているテレビは見ないがおばあさんが録画をしている娘が出ているのを見ているを知っている、反対していた手前目の前で見るのが恥ずかしいんではないかとおばあゃんは感じていたが、そんなおじいさんがほほえましかった。
満月の日に二人でお茶を飲むのおおじいさんが会社を退職して二年後に突如「満月の日にはベランダでお茶を啜るぞ」と言いだし、それから5年がたつ
「おばあさんや、もう仕事を辞めて五年がたつな」
「そうですね、いろいろありましたね、おじいさんもお疲れ様でした」
「おばあさんはいつまでこうしてここにいられるんじゃ?そんなにワシが心配か?
「なんの話でしょうか?私はおじいさんといたいからいるんですよ」
おじいさんは意を決したように優しく問いかけるとうに口を開く
「おばあさんが五年前に亡くなったんじゃよ、満月の日に現れてくれてありがとう」
おじいさんの目には涙が溢れていく、おばあさんは五年前の五月交通事故にでなくなっている、初めての満月で一緒に食べようと敷いお菓子を買いに行った帰りにひき逃げに会い、犯人は今も捕まっていないが満月のたびにおばあさんが買いに行ったお茶菓子を置いていくと決まっておばあさんは現れる、それが嬉しくおばあさんが買ってこようとしたお茶菓子をわざと買っていたがもう五年たつ、そろそろ自由にしてあげてもいいのではないかと思った、おじいさんも癌が発見されいつおばあさんの方に行くかはわからない、そのときにまたおばあさに会えればいい、ここでは一旦お別れでもいいと思った、あっちの世界がどんな世界かわからないが元気にやっていてくれればそれでいい、何年後になるかはわからないけどあっちの世界でまた会おう。
今日も月がきれいですね 櫻井 @usamimi0923
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