世の中には実にさまざまなお仕事があるものでして……
この物語に存在しているのは「神殺し」
それも……国から依頼されるお仕事のようです。
特急国家最高機密事項らしいので、あまりこの職業のことを口にするのはやめた方が良いでしょう。
サテ?
日本にはご存知の通り、八百万の神と呼ばれるほどに神様に守られておられる国にございます。それがなぜ……なぜ、神殺しなどという職業があるのでしょう?
なぜ?それを国が命じるのでしょう……?
主人公が神職になる前。学生をしている頃にございました。国の関係者がやってきまして……緊急の事態だそうで同行願うとのことで、有無も言わさず連れていかれます。
連れていかれたは、彼の伯父。前職の……「神殺し」です。
その姿は……もはや人間とはかけ離れたものにございました。
ありとあらゆる祟りが、彼を襲った果てなのでございます。
話を戻します。
なせ? 神を殺すのか?
なぜ? 国が命ずるのか……。
宗教と政治にまつわる、重たい話にございます。
思わず、ううむとうなされる本編。ぜひ、ご一読を。
おもしろかった。
日本には古代から調伏できない「祀ろえぬ神」がいる。
国家は神の管理を神籠に命じ、管理できない神は神殺に処理させた。
これは「特級国家最高機密事項」とされる。
……冒頭にこの男心をくすぐるワードが出てきてゾクゾクした。
主人公は神殺の一族の末裔である。
国の方針が変わったため祀ろえぬ神が復活する。
主人公は「あること」を本家の人間に依頼されるが……
「祀ろえぬ神」とはどういう存在なのか?
冒頭から立ち込める独特の禍々しい空気感や、祀ろえぬ神は「異教の神」という言葉がそのヒントになると思う。
短編とは思えないスケールと、19世紀の英国怪談に通じる重厚な雰囲気を堪能した。
とくに英国怪談が好きな人におすすめしたい、短編の枠を超えた雄編です。