ホリゾン&マリン このままじゃコープス
花森遊梨(はなもりゆうり)
ホリゾンブルー ダークブルー コープスブルー
夜明けの青色。ホリゾンブルー。朝にのみ訪れるはずのそれが日没の刹那にその姿を表す。
それは青い夕陽 ブルーモーメント
海の真ん中で大切な人と神秘的な光景を心に刻む。ー鬼打久留美
「そうだな、良い光景だよ。ここが海の真ん中に流されたボートじゃなければな」
そう語るのは山口誠司。
そう、誠司と久留美は甘々にボートの上で2人きりではない。海を漂流中である。浜辺の明かりはもう水平線の近くにある。
今年は10月後半でも普通に28度を超えた。今こそ海に行くべき時。ふたりでそんな計画を立てたのが運の尽き。木曜日の立冬を迎え、気温はバッチリ下がった。もうすぐ日没、気温はよりバッチリ下がる。
「あの、私たち、死の危機です…ってこと?」
「ジブリ風だが、まさにその通りだな」
「もう少しだ!街の明かりがかなり大きくなってきたぞ!」
「空を見てよ、流星群が」
2人を乗せたボートは幸いにも手漕ぎ式、燃料などなくても命さえあれば岸に戻ることができる。
「星を見ながらでいいから漕いでくれよ!ここで力尽きたら「リア充死ぬ!」って朝のニューストップで報じられちまうぞ!」
「死の瀬戸際なのにそこまで急速に肥大化できる誠司の自意識が私は恐ろしいよ」
ホリゾン&マリン このままじゃコープス 花森遊梨(はなもりゆうり) @STRENGH081224
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます